Existence *

それからまた数日が経った。

帰って来ない美咲に苛々し、電話も出ない美咲にも苛々し、美咲と抱き合ってたあの男にも苛々する。

苛々する方向性が自分じゃなく、美咲に向かってることが余計に腹立たしく思った。


テーブルにあるウイスキーをグラスに注ぎ、見てもいないテレビの音に耳をかた向ける。

タバコを咥え火を点けて、グラスに注いだ酒を一気に喉に流し込んだ。


ホストを辞めてから全く飲まなかったウイスキーがすんなりと喉に流れ込んでいく。


あの頃、美味かったと思っていたウイスキーが久々に飲むと、そうではないと感じた。

苛々している所為だろうか。

でも、こんなに飲んでも全く酔わなかった。


そこだけは昔と変わらない。


タバコを咥えて煙を吐き出す。

酒とタバコを交互に繰り返し、深いため息が零れ落ちる。


と、その時。

ガチャリと聞こえる玄関の扉の音。

その音で俯いていた顔が咄嗟に上がった。


…美咲?

口に咥えていたタバコを今にも埋もれそうな灰皿に押し潰し火を消す。

そしてカチャット空いたドアから美咲が姿を現した。


おせぇよ、マジで。

今まで何してた?


点いているテレビを消し、俺は椅子に深く背を付けたまま目の前にいる美咲を見つめた。

美咲と会うのは1週間ぶりだろうか。

1週間ぶりに見た美咲はどことなく雰囲気が違うかった。


あぁ、そっか。

髪巻いてっからか。

最近では全く巻かない髪巻いて、男となにしてた? 

って、思う俺の嫉妬はめんどくせぇな。


男の嫉妬ほど、めんどくせぇもんはねぇか、

と、言うよりも。