Existence *

「あいつに呼び出されて問い詰められたから」

「で、美咲は?」

「うん、すげぇ怒ってたけど…」

「……」

「半年間入院してた事も知ってた」

「……」

「誰に聞いたのかは知んねぇけど」

「知ってんのは俺の周りの奴だからな」


しか居ねえだろ。

俺と関りある奴しか居ねぇし。

いや、むしろ今更そんな事を美咲に告げてなにがある?


「誰か分かんの?」

「いや、全然分かんねぇ。むしろ美咲と接点ある奴だろ?」

「そんな奴いねぇじゃん。ユウトさんとか蓮斗さんとか皆言わねぇだろ」

「んー…つか、美咲はなんて怒ってた?」

「隠してた事にすげぇ怒ってた。お母さんの入院の事も翔さんが入院してた事に関して何も告げられなかった事に対して」

「ごめんな、俺の所為でゴメン」

「いや別に翔さんの所為じゃねぇし」

「まぁ、隠してたって言われるとそうだしな」

「あいつ翔さんちに帰るって言ってたから」

「帰ってねぇな。後は俺が何とかすっから」


電話を切ったと、思わずため息を吐き出しソファーに深く背を付けて天井を見上げる。

目を瞑って、再び出る重いため息をかき消し、俺は立ち上がってキーケースを掴んだ。


ほんっと、誰だか知んねぇけど、余計な事してくれんな。

と思いながら車を走らせる。


だけど、その余計なことを言い放った奴が誰だか分からない。

全く見当もつかず、思い当たる節もない。


美咲と接点がある奴なんて限られる。

しかもこんな夜に、何の為に、何がしたい。


とにかく車を走らせ、美咲の家まで向かう。

真っ暗の家からして美咲の居る気配など何もしなくて、その場で美咲に電話をする。


案の条出る気配も全くなく、とりあえず美咲の行きそうなところを全て探した。