Existence *

あの日から時間が刻々と過ぎ、何もない日が過ぎ去っていく。

今年もあと少しで終わろうとする12月半ば。

寒い季節がまた巡って来る。


仕事が終わって帰宅し、風呂に直行する。

この時まで何も思わなかった。

いつもと同じ日々の毎日。


だけど、


「遅いだろ、」


小さく呟き、時計に視線を送る。


…24時50分。

あっちの自分の家に帰ってるのだろうか。って一瞬思った。

だけど、それだったら必ず電話を掛けてくれる。

何かあったのだろうか。と思いながら電話をしようとした時、不意に鳴り出した着信音に視線が止まる。


…美咲?

急いでスマホを掴み取り、その画面を見た時、「…え?」小さく声が零れた。

諒也の名前が映し出された画面。

そこでちょっとは嫌な予感がした。


こんな時間に掛けてきて、美咲が絡んでるに違いない。


「…はい」


だからすぐにスマホを耳にあてた。


「翔さん?」

「うん?どした?」

「美咲帰ってる?」

「いや、」

「やっぱ帰ってねぇんだ」

「なに?アイツとなんかあった?」

「ちょっと前まで俺と居たから」

「なんかあったのか?」

「……」


そう言った俺に諒也は何も言わなく、諒也の深いため息だけが電話越しから聞こえた。


「おい、諒也?なんか言えよ」

「翔さんがさ、入院してる事なんかアイツ知ってた」

「は?なんで?」


もうそこで嫌な予感しかなかった。

正直、俺もそんな事、今の今までずっと忘れてた。

入院してた事なんか俺すらも忘れていて、思い出すこともなかった。

なのに、なんで美咲は…