Existence *

「え、待って。ここまで行く気?」

「うん」


見れば物凄く遠い場所。

住所を見てなんとなく分かった。

観光地名所。


「なにで?」

「電車?あ、新幹線で行ってまた電車?」

「多分乗り継ぎで結構大変じゃね?だったら俺が乗せてくわ」

「え、いいよ遠いし」

「日曜何もねぇから連れていくよ。つか、俺を頼れって言ってんのに」

「だって申し訳ないし」

「はい、その言葉これから禁止な」

「えー…」


苦笑いになりながら困った様に呟く美咲にフッと鼻で笑う。

テーブルに置いているスマホを掴み、紙に書かれてある住所を打ち込んで、地図に視線を送った。


「3時間以上は掛かっから朝8時には出ねぇとな」

「だよね。遠いよね…。やっぱり行くの辞めて手紙――…」

「会いたいんだろ?会いたい時あっとかねぇと後悔すっから」


ホントにそうだと思った。

会いたい時に会って、

話したい時に話さねぇと。

例え、それが物凄い遠い場所でも。


後悔する前に。


「ごめんね、…ありがとう」



…――そして次の日曜日。


「なんか綺麗なところだね」

「観光地だからな」


高速で4時間弱。

都会から離れて着いた場所は緑が綺麗で自然が物凄く広がってる所だった。


所々に設置されている観光地の看板。

温泉街を案内する看板がやけに多く感じる。


「ごめん。疲れてない?」


心配そうに俺を見つめる美咲に頬を緩ます。


「大丈夫。…ってか、この辺りだと思うけど」


カーナビに視線を送った後、俺は辺りを見渡す。

ガヤガヤとした都会とは違って、街の景色が物凄く綺麗なところだった。


「あっ、停まって!」

「あった?」


窓から覗き込むように視線を送ってる美咲は手に持っていた紙を見つめ、コクリと頷く。


「やっぱしここ」

「行っておいで」

「翔は?どうすんの?一緒に行かない?」

「俺はいいや。美咲行ってきな。それにほら、この辺り探索してぇし」


辺りを見渡しながらそう言って、俺は頬を緩めた。