Existence *

「なんでそんな事、聞くわけ?」

「知りたいからよ。…ただ私は楓の女がどんなのか見たいだけ」

「はい?」


見たいって何が?

見てどーすんの?


「まぁね、楓を想ってる気持ちは私だけじゃないんだろうけど、私は負けないかな」

「ごめん。何言ってんのか分かんねぇんだけど」

「あー、なんだろう。楓の事をご指名してた女達が言ってたのよ。あなたの彼女を見てみたいって。だから私も拝見したいと思っただけよ」

「拝見ねぇ…」


小さく呟き思わず鼻で笑ってしまった。


「ま、一番の目的は楓がまた戻ってきてくれる事だけど」

「って言うかさ、何回言っても俺は――…」

「…――うわ、こんな所で珍しいやん。リア様どーも」


俺の声を遮った声に振り返ると、笑みを浮かべたルキアさんが居て。

その横で桃華さんが頬を緩めて俺を見てた。

同じくリアも視線を向け、ルキアさんを見た瞬間にため息を吐き出す。


「なに?あなたも楓を説得の為に戻ってきたの?」

「説得?なんのこと?」

「あー…違うんだ。ほんと、あなたも使えないわね」

「あ、俺。使えへんねや。何のことか知らんけど」

「もーいいわ。じゃあね楓、また」


フンっとそっぽ向いてリアが俺たちに背を向け歩いていく。

その後ろ姿にルキアさんは、「大変だな」そう言って苦笑いを漏らした。


「へぇー…あの人がリアって人?名前は知ってたけど、ほんと女王様じゃん」


桃華さんがリアの背中をじっと見て口を開き、その言葉にルキアさんは軽く笑った。


「昔っから翔の事、大好きやねん」

「オーラすごくない?翔くん、大変だねぇ…。男前も苦労するよね?」


あははと笑った桃華さんにルキアさんも声をあげて笑う。


「ほんまそうやな。俺、良かったわ。男前じゃなくて」

「ホントだよー」

「おい、モモちゃん。そこ認めんといてくれる?悲しくなるやん」

「嘘です。ルキアさん、昔から男前ですけど、私ホストに興味なかったので、そこになんでお金払うのとかも分からなくて」

「それ、俺に言わんといて―や」


2人の会話に思わず俺は苦笑いする。

相変らずだな、桃華さん。