「何よ、今更…」
沙世さんは俺から視線を外し、小さく息を吐き出した。
「なぁ、沙世さん…」
「今更そんな事、聞いてこないでよ」
「今更で悪いけど、知りたい」
「……」
「もしかして沙世さん?」
ジッと見つめる俺に沙世さんはゆっくり振り向く。
その視線がぶれることなく俺を身構えた。
「私がそんな事するわけないじゃない。まだ生きてたんだよ?生きてるのにお墓の事なんか考えないでしょ。そんな余裕すらあの時はなかったわよ」
「……」
「百合香のご両親のお墓はもうお寺に任せてあるって聞いたことがあったし。だからそんな事、考えたこともなかったわよ」
「…じゃあ、誰?」
「…百合香だよ、」
「…っ、」
「百合香、本人がしてた!私は知らなかった。全く知らなかった。葬儀が終わった後、百合香の勤め先の人が言ってきたのよ。お墓はご自身で用意されてますって、」
「……」
「その時に知った。誰にも言えないからって、そう伝えられたの。ほんとに、ここに来たらあったのよ…」
「……」
「百合香は何から何まで自分でする人だった。ほんと、百合香らしいけど…」
「ごめん。…ありがと」
聞けて良かった。
今更だけど、聞けて良かった。
「なんでなんだろうって今でも思うの。何で自分のお墓を自分で?ってね。でも、それさえも聞けない…」
「……」
「で?何でそんな事今更?なんかあったの?」
俺の顔をみた沙世さんは沈んだ表情から頬を少しだけ緩める。
「ただ色々と思い出させてもらっただけ」
「なにをよ?」
「忘れちゃいけない事。思い出させてもった」
しゃがんで俯いていた顔を上げ、俺はゆっくりと立ち上がった。
線香の先端からゆっくりと舞い上がる煙を見つめて、軽く息を吐き捨てた。
沙世さんは俺から視線を外し、小さく息を吐き出した。
「なぁ、沙世さん…」
「今更そんな事、聞いてこないでよ」
「今更で悪いけど、知りたい」
「……」
「もしかして沙世さん?」
ジッと見つめる俺に沙世さんはゆっくり振り向く。
その視線がぶれることなく俺を身構えた。
「私がそんな事するわけないじゃない。まだ生きてたんだよ?生きてるのにお墓の事なんか考えないでしょ。そんな余裕すらあの時はなかったわよ」
「……」
「百合香のご両親のお墓はもうお寺に任せてあるって聞いたことがあったし。だからそんな事、考えたこともなかったわよ」
「…じゃあ、誰?」
「…百合香だよ、」
「…っ、」
「百合香、本人がしてた!私は知らなかった。全く知らなかった。葬儀が終わった後、百合香の勤め先の人が言ってきたのよ。お墓はご自身で用意されてますって、」
「……」
「その時に知った。誰にも言えないからって、そう伝えられたの。ほんとに、ここに来たらあったのよ…」
「……」
「百合香は何から何まで自分でする人だった。ほんと、百合香らしいけど…」
「ごめん。…ありがと」
聞けて良かった。
今更だけど、聞けて良かった。
「なんでなんだろうって今でも思うの。何で自分のお墓を自分で?ってね。でも、それさえも聞けない…」
「……」
「で?何でそんな事今更?なんかあったの?」
俺の顔をみた沙世さんは沈んだ表情から頬を少しだけ緩める。
「ただ色々と思い出させてもらっただけ」
「なにをよ?」
「忘れちゃいけない事。思い出させてもった」
しゃがんで俯いていた顔を上げ、俺はゆっくりと立ち上がった。
線香の先端からゆっくりと舞い上がる煙を見つめて、軽く息を吐き捨てた。



