Existence *

「そう。めっちゃ怒ったわ、あん時。確か、蒼真の前のNO1もそんなんやってん」

「へぇー…」

「アイツも途中から女出来てんけど、彼女の事が好きすぎて遅刻ばっかしよんねん。だからお前の話聞いて、何を引きついどんねんって思っただけ。そこ引き継がんでええやろって、」

「なんも引き継いでねぇっすわ」

「まぁ、あれやろ。お前を惜しむ声が絶えへんから引き戻したいんやろ」

「そもそも俺、憧れとかでホストになったわけじゃねぇし。入ってからも別に一番になろうとも思ってなかったし。当時は50稼げたらいっか、みたいな」


ほんとに憧れとか楽しそうだから。とか、

人気になりたいとかモテたいとかもなかった。

ホストをしたい。とかで入った訳でもない。

周りはみんな、その理由で入ってきているのに、俺だけはそうじゃなかった。

だから初めてるルキアさんと出会った時、珍しいなお前。ってそう言われたことを今でも覚えている。


「うん、そうやったな。なのにあそこまでの地位に行けるのは凄い事やな」

「そこまでにさせてもらったんはルキアさんのお陰っすからねぇ…それは今でも感謝してますよ。まぁ、社長にも感謝はしてるんすけど…」


苦笑いになりながらビールのジョッキを掴み、喉に流し込む。


「まぁ、お前を超える奴が現れたらすぐに諦めてくれるわ。それまでの辛抱やなー…あの人、しつこいで有名やから」

「ははっ、ルキアさんもそんな事思うんすか?辞めた時、煩かった?」

「いや、俺の場合、流星が引き継いでくれたから何も言われんかった」

「あー…そか」

「だからお前も、次の男を育ててから辞めたら良かってん」

「何でそんな事、俺がしねぇといけないんすか」

「まぁそやな。女と両立出来へん奴が、そんなとこまで出来へんわな」

「そうっすね。…ところでこっち戻って来るの久々っすよね。なんか目的でも?」


ルキアさんとはほんとに久しぶりで、多分5年振りくらい。