Existence *

「どうしようって、何で悩んでんの?」

「……」

「もしかして、ずっと悩んでた?」

「……」


美咲の瞳が俺から避けられ、俯いていく。

そっか。

だよな。

美咲にとっては悩んで当たり前か。


まさか美咲が妊娠してるとは思わなかった。

だから正直、俺も驚いてる。

でも妊娠させてしまうほどだ抱いた俺も悪いか。

いや、悪くねぇか…


ただ、悩ませてしまって、ごめん。

ただそれだけ。


「選択技は1つじゃん。産めば?俺は嬉しいよ」


そう言って頬を緩めた。


「産んでいいいの?」


不安そうに口を開く美咲に頬を緩める。


「もちろん。だって俺と美咲の子だろ?」

「そうだよ」

「だったら産んでほしいって思うのが俺の気持ち。美咲は嬉しくねぇの?」


ずっと今まで何に悩んでた?

一人でずっと何に悩んでた?

俺が反対するとでも思ったのかよ…


「嬉しいよ。嬉しいけど、初めてだからまだ実感できないって言うか…」

「俺も。俺も初めて女を妊娠させたから実感ねぇよ」

「…なんか喜んでいいのかどうだかわからないね、その言葉」


困った様にそう言った美咲に、俺は頬に笑みを作って美咲を見つめた。


「病院は?」

「まだ。でも明日一度行こうと思う」

「一緒にいこうか?」

「いや、いい。一人で行ける」

「じゃあ、気を付けて行ってきな」

「…うん」



むしろ何でもっと早くに言わなかったんだろうか、とか。

この5日間、ずっと悩んでた理由。

俺がそうさせてたって、事か…


「…美咲?」


先にベッドに横になっていた美咲の隣に寝転び声を掛ける。


「うん?」

「今まで何に悩んでた?この5日間、ずっと一人で…」

「……」

「美咲?」


シーツを深くかぶる美咲を抱きかかえるかのように頭を撫ぜる。

美咲が悩んでた理由が、知りたい――…