父や継母や妹の父の私財で買った資産はしっかり帳簿に付けられているし、我が家の財産で買ったものももちろん帳簿化されて管理されている。
我が家の使用人たちは長年我が家に仕えてくれている者ばかりで大変優秀なのだ。
母が倒れたときも、亡くなった後に私が引き継ぐまでの三年なんとか家が持ったのは執事のハンスのおかげである。
そして、今回私を呼び出した経緯は既に把握済みなので父と継母と妹の荷物をまとめるようにメイドや侍女達にはすでに通達済みであり、父の私財で買ったものだけ持ち出せるようきちんとリストを手渡しているのでうちの使用人たちならテキパキと荷造りしてくれていることだろう。
「今日中にここを出ろなどと、どこに行けというのだ?」
父が今更ながらに訴えるが、私をここまで粗末に扱うよう指示していたことは分かっているし質素を装っていたが、綺麗なドレスや装飾品を見れば勝手に持ち出す妹が居るのだから、着飾る年頃で次期伯爵なのに装いに関してはどうしようもなかった。
いつも夜会や茶会で妹の隣で屈辱を味わったのは言うまでもない。
本当に幼少期からの令嬢仲間には、妹の居ない場で心配されていたほどだ。
「そんなこと、私が手配するわけがないでしょう? 関係ないのですもの。あぁ、荷物に関してはしっかりあなたの私財で買ったもののみ詰めるように使用人に通達しリスト通りに荷造りは済んでいますので、早急にそこの3人も連れて屋敷から去っていただけると嬉しいですね」
微笑みながら告げれば父は、ほんとうに信じられない様子で私を見つつ言った。
「私は、お前の父親だぞ?」
「えぇ、生物学上のというだけで父としての仕事も愛情もなに一つ注いでくれなかった人ですから。除籍と共に縁切りいたします」
私の言葉に、父は絶句した。
だってちゃんと継母と共に娘として家族としてしっかりとした扱いさえあれば私が女伯爵になっても家族として暮らせた可能性はあるし、それが難しくとも別邸での暮らしなども今とは関係性が違えば出来たかもしれないが13年ないがしろにされ続けて家族だなどと思えるはずがない。
父が私を家族から切り離した故の結末なので、自業自得でしかないのだ。
除籍以外にも縁切りの証明書も父の分は用意していた、血の繋がりって面倒なのだ。
除籍だけでは親子関係まで消せない、縁を切るとした証書があってようやく除籍と共に関りを無くすことが可能になるのだ。
そもそも、母が亡くなって父が喪が明けてすぐにライリーンとアレクシアを連れてくるまでほとんど邸におらず、私を育てたのは間違いなくハンスとメアリー、そしてマーサである。
良いことも悪いことも、家庭教師の手配も、マナーも父ではなくハンスやメアリーに教わり貴族の早期教育も三歳から実施されていたのは母の考えで始められた。
私は呑み込みが早く、家庭教師たちには絶賛されていたし、その様子に亡くなる前の母は安心していた。
次期伯爵になる私が、しっかりしているから大丈夫だろうと。
しかし、母が長く持たなかったためにフランゼ家は一時危なかったのだ、ダメ父のせいで。
父がフランゼ家のお金をライリーンやアレクシアに費やし始めたからだ。
私の予算まで手を出しそうになるのを、ハンスが憎まれながらも止めてくれた。
そして早期教育のおかげで私は家の立て直しと回復と父から仕事を取り上げて、実権を握ることに成功したのだ。
裏で握ってある程度を自由にさせたことで父が勘違いをしていったのだろうことは理解しているが。
伯爵になれないことはきちんと母との結婚前に聞いているはずなのに、きっと都合よく忘れたのだろう。
だから結局フランゼ伯爵家から除籍、縁切りの状態になったのだ。
証明書を見て、そこに国内最高位の陛下の署名を見つけると父はがっくりとうなだれた。
我が家の使用人たちは長年我が家に仕えてくれている者ばかりで大変優秀なのだ。
母が倒れたときも、亡くなった後に私が引き継ぐまでの三年なんとか家が持ったのは執事のハンスのおかげである。
そして、今回私を呼び出した経緯は既に把握済みなので父と継母と妹の荷物をまとめるようにメイドや侍女達にはすでに通達済みであり、父の私財で買ったものだけ持ち出せるようきちんとリストを手渡しているのでうちの使用人たちならテキパキと荷造りしてくれていることだろう。
「今日中にここを出ろなどと、どこに行けというのだ?」
父が今更ながらに訴えるが、私をここまで粗末に扱うよう指示していたことは分かっているし質素を装っていたが、綺麗なドレスや装飾品を見れば勝手に持ち出す妹が居るのだから、着飾る年頃で次期伯爵なのに装いに関してはどうしようもなかった。
いつも夜会や茶会で妹の隣で屈辱を味わったのは言うまでもない。
本当に幼少期からの令嬢仲間には、妹の居ない場で心配されていたほどだ。
「そんなこと、私が手配するわけがないでしょう? 関係ないのですもの。あぁ、荷物に関してはしっかりあなたの私財で買ったもののみ詰めるように使用人に通達しリスト通りに荷造りは済んでいますので、早急にそこの3人も連れて屋敷から去っていただけると嬉しいですね」
微笑みながら告げれば父は、ほんとうに信じられない様子で私を見つつ言った。
「私は、お前の父親だぞ?」
「えぇ、生物学上のというだけで父としての仕事も愛情もなに一つ注いでくれなかった人ですから。除籍と共に縁切りいたします」
私の言葉に、父は絶句した。
だってちゃんと継母と共に娘として家族としてしっかりとした扱いさえあれば私が女伯爵になっても家族として暮らせた可能性はあるし、それが難しくとも別邸での暮らしなども今とは関係性が違えば出来たかもしれないが13年ないがしろにされ続けて家族だなどと思えるはずがない。
父が私を家族から切り離した故の結末なので、自業自得でしかないのだ。
除籍以外にも縁切りの証明書も父の分は用意していた、血の繋がりって面倒なのだ。
除籍だけでは親子関係まで消せない、縁を切るとした証書があってようやく除籍と共に関りを無くすことが可能になるのだ。
そもそも、母が亡くなって父が喪が明けてすぐにライリーンとアレクシアを連れてくるまでほとんど邸におらず、私を育てたのは間違いなくハンスとメアリー、そしてマーサである。
良いことも悪いことも、家庭教師の手配も、マナーも父ではなくハンスやメアリーに教わり貴族の早期教育も三歳から実施されていたのは母の考えで始められた。
私は呑み込みが早く、家庭教師たちには絶賛されていたし、その様子に亡くなる前の母は安心していた。
次期伯爵になる私が、しっかりしているから大丈夫だろうと。
しかし、母が長く持たなかったためにフランゼ家は一時危なかったのだ、ダメ父のせいで。
父がフランゼ家のお金をライリーンやアレクシアに費やし始めたからだ。
私の予算まで手を出しそうになるのを、ハンスが憎まれながらも止めてくれた。
そして早期教育のおかげで私は家の立て直しと回復と父から仕事を取り上げて、実権を握ることに成功したのだ。
裏で握ってある程度を自由にさせたことで父が勘違いをしていったのだろうことは理解しているが。
伯爵になれないことはきちんと母との結婚前に聞いているはずなのに、きっと都合よく忘れたのだろう。
だから結局フランゼ伯爵家から除籍、縁切りの状態になったのだ。
証明書を見て、そこに国内最高位の陛下の署名を見つけると父はがっくりとうなだれた。



