* * * *
式場に到着する頃にはすでに足が痛くなり、グッと堪えながらも、早く椅子に座りたい衝動に駆られていた。
とりあえずクロークに荷物を預けてから待合室に行くと、そこには先月も女子会で顔を合わせた友人たちが、笑顔で手招きをしている。
ホッと胸を撫で下ろし、ぎこちない足取りで友人たちの元へ辿り着くと、千早が瀬名に隣の席に座るよう促した。
「ありがとう。足が痛かったから助かったよー」
ソファに腰を下ろした瞬間、体の力がふっと抜けていく。
「私たちだって同じだよ。ぺたんこ靴が当たり前の生活だからね」
営業としてバリバリ働く千早は、ふだんから動きやすさを重視しており、普段はパンツスーツでいることが多い。そのため、着ているものは違えど、瀬名と一番近い感覚を持っていた。
「でも意外だったね。あの旦那のことだから、もっと大袈裟な式場でド派手にやるかと思ってた。こんなにアットホームな式場を選ぶなんて意外だったよ」
ヨガのインストラクターをしている新奈はスラリとして、艶やかな長い髪が女性らしい印象を与える。
「でもりーちゃんっぽいよね。こういう可愛いところが好きじゃない?」
瀬名は辺りを見回しながら、うっとりと目を細めた。
「確かに莉里架好みの式場だよね。あの男、どちらかというと莉里架を見せびらかすより、自分だけで愛でたいタイプだから、莉里架の希望に沿ったのかも」
「あはは! それだけ聞くと、変態みたいじゃない」
「まぁ、半分は変態だと思うけど」
千早と新奈の会話を聞いていた瀬名はクスクスと笑う。高校生の時から仲が良かった四人は、卒業してからも定期的に会い続けていた。
今回結婚する莉里架は、四人の中で一番小柄で可愛らしく、マスコット的存在だった。だが見た目とは違ってとてもパワフルで、瀬名は彼女からたくさんの元気をもらっていた。
その莉里架が突然結婚すると言い出し、しかも相手が高校時代の後輩である葉介だったものだから、三人は驚きを隠せなかった。
莉里架と葉介に接点はなかったはずだが、気付けば莉里架を見つめる葉介と目が合うのだ。彼が莉里架を好きなのは確実なのに、当の本人は全く気付いていない。
気の毒に思いながらも、特進クラスの優等生と普通クラスの生徒では、関わったところであまりいい思いをしない気がした三人は、そのことには触れようとしなかった。
だが三人が何も言わなかったにも関わらず、こうして二人は結婚することになったのだから、やはり運命はあるのだと瀬名は思ったのだ。
その時、式場の従業員が三人に近づいてくる。
「新婦が皆様とお話をしたいと仰っています。よろしければ控え室にご案内させていただきますが」
式が始まるまで会えないと思っていた三人は、思いがけない言葉に頬を緩めると、大きく頷いた。
式場に到着する頃にはすでに足が痛くなり、グッと堪えながらも、早く椅子に座りたい衝動に駆られていた。
とりあえずクロークに荷物を預けてから待合室に行くと、そこには先月も女子会で顔を合わせた友人たちが、笑顔で手招きをしている。
ホッと胸を撫で下ろし、ぎこちない足取りで友人たちの元へ辿り着くと、千早が瀬名に隣の席に座るよう促した。
「ありがとう。足が痛かったから助かったよー」
ソファに腰を下ろした瞬間、体の力がふっと抜けていく。
「私たちだって同じだよ。ぺたんこ靴が当たり前の生活だからね」
営業としてバリバリ働く千早は、ふだんから動きやすさを重視しており、普段はパンツスーツでいることが多い。そのため、着ているものは違えど、瀬名と一番近い感覚を持っていた。
「でも意外だったね。あの旦那のことだから、もっと大袈裟な式場でド派手にやるかと思ってた。こんなにアットホームな式場を選ぶなんて意外だったよ」
ヨガのインストラクターをしている新奈はスラリとして、艶やかな長い髪が女性らしい印象を与える。
「でもりーちゃんっぽいよね。こういう可愛いところが好きじゃない?」
瀬名は辺りを見回しながら、うっとりと目を細めた。
「確かに莉里架好みの式場だよね。あの男、どちらかというと莉里架を見せびらかすより、自分だけで愛でたいタイプだから、莉里架の希望に沿ったのかも」
「あはは! それだけ聞くと、変態みたいじゃない」
「まぁ、半分は変態だと思うけど」
千早と新奈の会話を聞いていた瀬名はクスクスと笑う。高校生の時から仲が良かった四人は、卒業してからも定期的に会い続けていた。
今回結婚する莉里架は、四人の中で一番小柄で可愛らしく、マスコット的存在だった。だが見た目とは違ってとてもパワフルで、瀬名は彼女からたくさんの元気をもらっていた。
その莉里架が突然結婚すると言い出し、しかも相手が高校時代の後輩である葉介だったものだから、三人は驚きを隠せなかった。
莉里架と葉介に接点はなかったはずだが、気付けば莉里架を見つめる葉介と目が合うのだ。彼が莉里架を好きなのは確実なのに、当の本人は全く気付いていない。
気の毒に思いながらも、特進クラスの優等生と普通クラスの生徒では、関わったところであまりいい思いをしない気がした三人は、そのことには触れようとしなかった。
だが三人が何も言わなかったにも関わらず、こうして二人は結婚することになったのだから、やはり運命はあるのだと瀬名は思ったのだ。
その時、式場の従業員が三人に近づいてくる。
「新婦が皆様とお話をしたいと仰っています。よろしければ控え室にご案内させていただきますが」
式が始まるまで会えないと思っていた三人は、思いがけない言葉に頬を緩めると、大きく頷いた。

