離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました


さらりと甘い言葉を返され、未依はうっと言葉に詰まる。

「そ、そういうのっ……! 律くん、無愛想とか塩対応とか言われてるのに、普段の態度と違い過ぎじゃない?」
「仕事中と未依への態度が同じなわけないだろ」
「そうだけど、そうじゃなくて……。ここ最近、なんだか私の知ってる律くんじゃないみたい」

一緒に暮らし始めてからというもの、これまでの無口でポーカーフェイスという律のイメージが大きく覆されている。

もちろんそれが嫌というわけではないけれど、ドキドキしすぎて心臓がもちそうにない。

「学生のうちは手を出すなって釘を刺されてたし、俺もそれに同意してたから、態度に出すわけにいかなかった。本来は、こうやって未依をめちゃくちゃに甘やかしたいって思ってるよ」
「そんなに甘やかしてると、私がすっごくワガママになったらどうするの?」
「真面目すぎるくらいなんだから、少しくらいワガママになったらいい」
「またそんなこと言って……」

彼との今後をきちんと考えると言いつつ、注がれる愛情にドキドキしているばかりで、この先のことは具体的になにも浮かんでいない。

それなのに、こうして律とふたりで過ごす時間はとても心地よく、すでに『離婚』という選択肢を選べそうにない自分がいる。