離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました


その後もモール内を順に歩いて回った。

どこにいても目立つ律の隣にいると、周囲からの視線は避けられない。ここでも律は未依の手をしっかりと握っているため、兄妹に見られることはないだろう。

『釣り合ってない』とか『なんであんな素敵な男性に平凡な女が』とか思われているかもしれないけれど、気にしないと決めてしまえば気持ちが楽になった。

一点物の小物を売っている店でヘアアクセサリーやキーホルダーを、本屋では買いそびれていた漫画の新刊やポップを見て気になった小説を購入した。

そのたびに律は『どれが好みだ? 未依の趣味をアップデートしておかないと』と、離れていた期間を埋めるように未依の話に耳を傾けてくれる。

「買い物が久しぶりって言ってたけど、普段の休日はなにしてるんだ?」
「うーん。基本は溜まってる家事をしたり、録画したドラマを一気見したりしてるかな。あと少し前までは、千咲のところに遊びに行くことが多かったよ」
「あぁ、櫂の奥さんか。高校の同級生なんだって?」
「うん。最近は千咲に会いに行こうとすると櫂くんが拗ねるから控えてる。あ、これ可愛い。今度紬ちゃんにプレゼントしようかな」

北欧雑貨店で見つけた不思議なぬいぐるみは、クマだか犬だかわからないフォルムをしていて、きょとんとしたとぼけた表情がなんとも可愛い。