離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました


「せっかくだから、この店で何着か買っていこう」

言われ慣れない甘い言葉に狼狽えている間に、律がブラウスやロングスカート、厚手のニットワンピースなどを選んでこちらに差し出した。

「このセットと、あとこれも着てみて。靴は二十三センチでよかったよな? 今用意してもらってるから待ってて」

そこからはあれよあれよと何着も着替え、ワンピースだけでなくニットやコートなど腕を通したものすべて、そして未依が気になっていた帽子やバッグ、さらに靴やベルトなどの小物類まで律が購入してくれた。

「ありがとう、律くん。本当はずっと着てみたいって思ってたから、すごく嬉しい」

ここで遠慮したところで律が引いてくれないことはわかっているので素直にお礼を告げると、「それはよかった」と笑って頭を撫でられた。きっとこの仕草も、子供扱いではなく彼の癖なのだろう。

「すごく似合ってる。他人がなにを言ってきたところで、それは単なる嫉妬だ。気にしなくていい。そんなことで未依の価値は変わらない」

あれほど気にしていたというのに、律にそう言われると気にならなくなるから不思議だ。