離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました


(どうしよう、買っちゃおうかな。それなら、せっかくだし帽子とバッグも揃えたいかも。うん、たまには奮発したっていいよね。買っちゃおう!)

試着室の中でひとり自分と会話していると、扉の向こうから律の声がした。

「未依、着られたか?」
「う、うん。どう……かな?」

試着室の扉を開け、彼の前に立つ。律はじっとこちらを凝視したまま、腕を組んだ状態で微動だにしない。

「……律くん?」

未依自身は意外といいのではと思っていたけれど、律の好みには合わなかっただろうか。心配になって声をかけると、想定外の答えが返ってくる。

「あぁ、悪い。想像以上に可愛くて驚いた。自制しないと、今すぐに抱きしめてキスしたいくらい可愛い」
「なっ……」

しれっととんでもない発言をする律の隣には、先ほどのスタッフが持ってきてくれたのか、何着もの洋服が掛けられたラックが置かれている。