今日も知らない男が目の前に。


「キミ、けっこーかわいーね」


軽いその口調。


慣れた手つき。


気持ち悪い。それなのに、やめられない。


その理由なんて、とっくに分かってる。


でも、私は笑ってみせた。


「そんなことないよ~」


「ははっ、キミ超俺の好み~」


軽。


「じゃあ、ヤる?」


そういった男の目を無言で見た。


あーバカバカしい。


なんで私は今日もこんな奴と遊んでんだろ……。


気持ち悪い。


でも、私だって世間から見たら気持ち悪い女か……。


しゅるりと制服のリボンが外された。


ブラウスのボタンが一つずつ外されていく。


「じゃ、いい?」


ギラリと光った男の目はまるで狼。


唇に柔らかい感触。


キスは次第に深くなっていき、舌を絡ませる。


苦しくて少し抵抗する。


「あははっ。キミ、最高」


一体男がどんな意味で言ってるのかはわからない。


だって、この男からも私はただの遊び人。


キャミソールの紐がゆっくりと降ろされる。


男は押し倒してきた。


これを怖いと思わないのは私がおかしいんだろうか。


男は理性が狂ったように私の唇だけを見つめてきた。


どうせ、この男もヤりたかった。それだけのこと。


年齢は同じくらいだろうか。


他校の制服だ。


男はネクタイを緩める。


「キミのこと好きかも」


どの口がいってんだか。


甘い言葉なんて慣れてる。


本気に捉えるほうがバカといったほうがいいだろう。


そういった男はふたたび口を近づけてくる。


抵抗する理由がない。


それ以上にもう全てどうでもいいのだ。


案の定、男は舌を入れ込んでドロドロにしまくった。


男は長いキス終わると唇を舐めた。


そして今度は体。


触られた部分が妙に冷たく気持ち悪い。


嫌なのに、何も言えずただそのまま。


あー最悪だ。


首筋から腰、足、至る所をくまなく触ってきた。


完全に理性が無くなっている。


腰に手が回されたと思えばぐいっと引き寄せられた。


口を押し付けられて抱きしめられる。


嫌だな……。


頭ではそう思っているのに、抵抗できない。


そして、私はいつも”ただの”遊び人だ。


この日々に終止符が打たれるとしたら、それはいつだろう。