「ほんと、気の毒くらいには思ってあげるわ。今日こそは頑張りなさいよ」


そう言って旭姫がバシバシと荘の背中を叩いた。


「言われなくてもそうするっつーの」


「素直じゃないわねぇ。せっかく恵まれてるのにもったいない。そのルックス、存分に活用するべきよって伝えたいけど、効果なさそうね」


「うるせぇ」


そのカオだけは様になりすぎててなんにも言えないが。


「私、荘くんだけはナイわー」


隣で愛瑠がぼそっとそう呟いた。


その通り。


「でーもぉ、遊び人と遊び人!相性いいんじゃな~い?」


愛瑠と旭姫がニマニマと気持ち悪く笑う。


可愛らしいピンクの髪色とカオが噛み合ってないよ。


遊び人って……否定はできないけど、イラッとする。


「でも、想像しただけでちょっとやらしーかも」


「二人とも、すまし顔によらず、経験ほ、う、ふだもんねぇ~」


それはあんたらもだろーが!


「あ、今梨華私達もって顔したぁ?私達はしてないからぁ~」


気持ち悪い。


私だって好きでそうしてるわけじゃないんだけど。


「あ、でもぉ~煽ってないよ~?」


いやどー考えても煽ってくれてるでしょ。


「行くぞ」


荘の黒い声が聞こえて溜息を吐き出す。


面倒くさい。


「頑張ってねぇ~」


そう言って後ろでキャッキャ笑っている二人の声が聞こえたが振り返ると苛立ちが増しそうだったので振り返らなかった。