調子狂うし、ドSくん。

「梨華」


何年も聞いてきたこの声は幼馴染の荘の声。


「何?」


「相変わらず感じわりぃ」


はい?すみませんね。感じ悪くて。


明るく金髪に染められたその髪を見ればみんな口を揃えて「ヤバいやつ」と判定をくだすだろう。


しかし、見かけによらずコイツはモデルをいう肩書を持っている。


そのため、昔から半端なく女子が寄ってくる。


でも当の本人はあんまり女子に興味がないようでいつもあの胡散臭い笑顔を振りまいている。


「要件は?」


「要件?そんなのねぇよ」


はぁ。だったら何よ。私だって早く帰りたい。


もうとっくにホームルーム終わってんだから。


「じゃあ、何?」


「資料室。手伝え」


はぁ?何いってんの。


資料室手伝えってどの口がいってんだか。


もちろん、断る一択なんだが。


そもそもあんたの仕事でしょうが!


それに立派な要件じゃない。要件と手伝いの境界線はどーなってんの。


「ヤダ」


「あっそ。じゃあ、『アレ』言いふらしてもいいってこと?」


………・、・、・。


はぁぁ。


「あんただってしてるんでしょ?私も言いふらしたっていいんだけど」


誤魔化すように言い返した。


「へぇ。でもみんな知ってるから」


あーヤバい。


乗せられそうになってる。


「…………」


はー最悪。


目で無言の了承。


「ん」


そう言ってニヤッと笑うその目が憎いのはいつものこと。


ほんと自分ことくらい自分でこなせよといいかけた口はつぐんだ。