調子狂うし、ドSくん。

「ねぇ、梨華ちゃん」


………


「えっと……」


これは、ヤバい……旧遊び人の本能が叫んでいる。



「……家、いこーよ」



っ……。



別にここでついていったからって罪になるわけじゃない。


………またやり始めてもなにも…変わらないか。



今まで数えきれないくらいやり合った。



今やめようが…やっても……何にも…変わらないや。



―――荘の想いが私に向くわけじゃない。



昔の荘に戻ってくれるわけじゃない。


何も……意味なんて…ないじゃん。



そうだよ……今まで…私は…馬鹿みたいにやってきて…今更…いい子のふりなんてガラじゃない。



……―でも。…それでも。



したく、ない。


嫌だ。



もう…やりたくない。


もう、あんな自分には……なりたくない。



戻りたくない。


すると突然体が後ろに傾いて…転ぶ…!…と思うと。


ふわり、と何かに包まれた。



首元には腕が回っている。



「は、お前の女だったの?」



「そうだけど……何か?」


この声、は………



それだけ言うと後ろ姿だけ残して消えていった男。


「しょ…う…?」



「……やめるんじゃないの?」


「…う、ん。そう、やめる」



「だったら…いいだろ」


「…うん」



そういうと背を向けて歩き出した荘。