「良ければ一緒に撮影してくれないか!?」


何言ってるんですか、監督さん……。


「何言ってるんですか、ただの一般人で……」


「いや、キミが出たらもう、これはこれは凄いことになると思うよ!!ね?だから一緒にやってくれ!!頼む!」


いや、どういう状況?


「そうよっ!!あなたには才能があると思ってたのよ!!」


いや、それ、今出たでたらめだよね??


「いや、だから私は…」


「ね?決まり!!じゃあ撮影開始~!!」


いや、言ってないから!!一言も『OK』なんて言ってないから!


「あの、私は…」


「あ、でもまって!!衣装に着替えましょ!荘たちに合わせて黒の衣装よね!!はい、そうと決まれば、こっち!!」


いや、やらないって!!


強制送還された私は目の前の鏡を見て絶句。


何この衣装……。


ひざ丈のタイトにスリットが入ってしかもオフショルダー。胸元ギリギリまで攻めている。


なにこれ、ちょっと、いやちょっとどころじゃない。


こんな格好で何をしろって!!無理。絶対に見せられない…!!


「まぁ、素敵~!さいっこう!もう、イ・チ・コ・ロねっ!!」


何が!?バチっとウインクをかます荘ママ……


「、無理です、絶対に……」


「さ、いきましょー!!」


ずるずると引きずられるようにスタジオに入ってしまった。


そしてさすがの荘も嫌味アイドルたちも絶句。


ほら……。なんでこんなことに……。


「あら、あらあらあら?あなたたちそんなジロジロ見てどうしたの?なにかあった~?」


面白楽しむように荘の顔を覗き込む荘ママ……。


もう、今日で人生終わり……。


「キミ最高だよ!!これで大人気モデル誕生決定!」


いやいや何言ってるんですか…。