「あ～梨華ちゃ～ん、って……」


さっきの嫌味アイドル…じゃなくて、可愛い子。


私を見るなり目を見開いた。


周りを見ると嫌味アイドルたちも荘と似たようなファッションをしていた。


何…そっちから声かけてきたくせにみんなして固まっちゃって……


そんなに私が怖いの……。


「……何それ、どうしたのそれ」


どうしたのって何が…？


人をお化けを見るみたいな目してみないでほしいんだけど…―。


「梨華ちゃんのくせに綺麗すぎ」


い、今、この王子系プリンスはなんて言った…！？


『梨華ちゃんのくせ』…！？


「…そんな目で見ないでくれる、FLAMEくん？」


私たちの間に割り込んできたと思えば不敵に笑う荘。


FLAMEってよく愛瑠が話してたっけ…。


「え、梨華ちゃんって～荘くんの女の子だったの～？」


明らかに挑発するようにそう言った可愛い見た目してかなり嫌味な可愛い子。


「うわ、近くで見ると似てる」


「ね？荘くんの女、なの？」


嫌味プリンス。ってほんとに何なの、このグループは。


嫌味というよりかなんか余裕を感じる、というか……。


荘の女ってそもそも何よ…、私は荘の所有物じゃないんですけど。


「はーい、撮影するよ～って、キミ誰！？どっかの事務所の子！？」


監督らしき男の人がキラキラした目で見てきた。


「…いえ……」


「え！？どこにも所属してないの！？どっからどーみても……」


「モデルの卵でしょうーーっ！！」


監督さんが言い終わる前に割り込んできたのは……見なくてもわかる。


荘ママ……。


「ねぇ？この子可愛いでしょー！！」


「はいっ！！水月さんの知り合いですか？」


はいっ！！、なの！？


「チッチッチッ、未来の娘に決まってるじゃなーい！！」


何言ってんのーー！！


「未来の娘？」


一瞬ぽかんとするとそのあと「なるほど」と満足げに頷いた。


スタッフさんたちもほほえましい顔で頷いている……


って、全然理解できないんですけど！？