「好きです!付き合ってください!」


???


「なんなの、その反応!!」


なんだか今私はとてつもなくめんどくさいことに巻き込まれている…。


「これでいいかなぁ?」


「いいと思うー」


「ちょっと!棒読み!」


旭日も興味がないようでスマホのショートをスクロール。


どうやらバイト先の先輩に告白するとかなんとかで練習に付き合わされている。


「恋する乙女の身にもなってよーいいよね!リア充満喫してる人はさ!!私なんて…ううっ…うらやまじい!!」


『恋』なんて、もうしない。


そう決めているはずなのに絶対傷つくと分かっていてもどうして人間は人を好きになってはまた違う人を好きになるのか。


その理由を私はまだ知らない。


運命の人など存在しない。運命なんて関係なく人間は恋に落ちる。


恋に落ちても、報わないと分かっていても、どうしようもなく私の瞳には君しか映ってくれない。


だから、私はあの日。


「…恋なんて……」


――初恋という名の未練を捨てた。