「あいつに何された?」


うぅ……。


私は今龍我の家にいます……。


龍我のパパママ入れば助かると思ったんだけど……。


今日に限っていないのぉーーっ!


どうやら出張らしいです……。


で、今龍我に問い詰められている、と。


「何も……」


嘘を貫こうとする私の前に龍我の顔が割り込んでくる。


「へぇ?盗聴器の様子じゃ、何かされてるはずだけど?」


ああ、そういえば盗聴器なんてものもあったっけ……。


正直に言いましょうか……。


「き、キス……されました……」


ああ言っちゃったーーっ!


恐る恐る龍我を見上げると、それはそれは怖いお顔……っ!


「へぇ、キス、ね。後はどこ触られた?」


「っ……腰……」


ああ、やっぱり今日で私の人生終わりかも……。


「まずはあいつシメるとこだけど、その前に説教が必要みたいだな」


せ、説教………。


嘘…私殺される……!?


(作者の声・安心してー愛ちゃん殺しちゃったらこの物語成り立たないからぁ~)


龍我の手が首筋に触れられる。


手は密着するように腰に回される。


いや…ちょっと待って…これから処刑ぃ……~。


「もっと楽にしていいよ、愛」


耳元で囁かれた言葉が妙に甘くとろけるような感じ……。


なんか…嫌な予感……。


その勘は見事に的中し。


龍我の手がするりと腰の辺をなぞった。


制服のリボンがしゅるりと甘い音を立ててほどける。


窓をみるともう辺は暗くなっている。


目の前には視界いっぱいに龍我の顔が映る。


「可愛すぎ。押し倒すけど許して」


いや、許すわけないんだけど……。


その抵抗は呆気なく無謀に終わり私はベッドの上で仰向けになる。


龍我の緩められたネクタイが色っぽく映った。


視線を龍我に移すとその目は獲物を捉える野獣のようにギラリと光っていて。


「今夜は長くなりそうだな」


そう言ったと思えば唇に柔らかい感触。


ちょ、ちょっと…まって、き、キス…っ!?


抵抗しようとするけど、龍我のされるがまま。


足に柔らかい手の感触が伝う。


次第にキスは深く、濃くなっていった。


――どうやら、ヤンデレ彼氏との夜は長いようです。