「ねぇ、愛ちゃん」


私は空き教室にいます……。


そして目の前には知らない男の子がいる。


空き教室で男の子と二人でいたら後で龍我に怒られちゃうよぉ……。


「あ、あの……帰っても…」


隙を見計らって教室を出ようとすると手首を力強く握られる。


ちょっと……痛いっ……。


「ダーメ」


そう言って男の子は一歩一歩近づいてくる。


こ、怖い……っ。


どうしよう……今日で私の人生終わりなのかな……。


(作者の声・大丈夫だよー愛ちゃんは龍我くんと末永く一緒に居て貰う予定なのでー[棒])


追い詰められたのは壁際でとうとう逃げ場がなくなってしまった。


ーダンッ


顔の横の壁に手をつく。


至近距離に男の子の顔が近づいた。


というか…この男の子…きれいなお顔だなぁ……。


って、呑気なこと考えてる場合じゃないっ!


逃げなきゃなのに……っ!


耳に男の子の吐息がかかる。


「好きなんだよね…愛ちゃんのこと……でもあいつが邪魔だから……」


「………」


すき………?あいつ……?


何言ってるんだろうこの人……?


「ねぇ、俺の言う通りにしてくれる?」


言う通り……?


そういうなり私の首筋に手をすべらせた。


今度は男の子の手が腰に触れる。


「んっ……」


柔らかいものが口に当たる。


ちょ、ちょっと…まって…。


い、今……き、きすされた……?


う、うそ……龍我以外と………?


案の定、その男の子は意地悪そうに笑みを浮かべる。


「あ、ありえない……!やめ……んっ……」


またもや口は呆気なく塞がれた。


必死に抵抗するけれどなにも効果はなく。


うそ……。


ごめん…ごめん、なさい…龍我……っ。


ーガンッ


痛々しい荒い物音が響いた―――。