「ねぇ~ツキちゃん~」


「なによ、彼氏できて幸せちゃん」


ツキちゃんの妬むような目に舌をぺろっと出して手を合わせる。


「恋人同士って盗聴器仕掛けるものなの?」


気になっていたことを単刀直入に聞くとツキちゃんは目を見開いた。


「盗聴器……現実でもあるのね……そーとうヤンデレなようで」


現実……?ヤンデレ……?


なんだろう……。


「あー私はもっとオトナな彼氏が欲しいわぁ」


そう言って私にウインクする。


ちょっと待って……全然答えになってないんですけどぉ……。


「あんたの彼氏、ちょっとズレてるわ」


ズレてる……?


龍我は良い子だけどなぁ……。


いやっ!前言撤回!


全然良い子なんかじゃない!


…いじわるだもん…。


「あ……ヤバ…盗聴器あんだっけ。後でシメられる」


……?


全然ツキちゃんの言ってることがわかんない……。


「まあ、あんたは分かんなくていいわ。ずっと可愛い愛でいてほしいもの」


というか…盗聴器ってどこに有るんだろう……私についてるんだよね…?


私はまだ私を見つめる視線に気づいていなかった―――。