「今日話した男の人数は?」


私、入佐愛は龍我に迫られている……。


「う……四人…」


「嘘つけ。五人だろ?」


五人……?


「朝、挨拶してた男」


挨拶……?


そ、そういえば挨拶したかもしれないけど…っ…。


「そ、そうかもだけど……挨拶だけだよ?」


「挨拶も禁止。話すのはもちろんダメ。他の男も見ちゃダメ。他の男と同じ空気吸うのもダメ」


そんなんじゃ私なんにもできないじゃん……。


「…っ……というか、なんで挨拶したこと知ってるの?」


私と龍我のクラスは別だ。


「盗聴器」


と、とうちょうき……?


「な…なんで……?」


「なんでって恋人なんだから同然だろ」


恋人って盗聴器仕掛けるものなの……?


「龍我……ちょっとやり過ぎじゃない?そんなに心配しなくても……」


言い終わるより先に龍我が押し倒してきた。


もがくけれど、手首は龍我に固定されている。


「それ以上言ったら口塞ぐよ?」


口塞ぐ……?ガムテープとか……?


それは……


「ちょ……んっ……っ」


口を開いた私の唇は呆気なく塞がれてしまった。


き、キス……っ?


少し新しい酸素が入って呼吸を整える。


「ちょっと……まって…んっ……」


口内になにか柔らかいものが侵入する……。


こ、これ舌……っ…!?


「ちょ、ちょっとまって……っ」


やっと唇が離れて呼吸を整える。


「なにが?」


意地悪そうに微笑む龍我。


このーーーーっ!!


意地悪っ!