ドキドキ作戦開始から一週間経つけど……涼くんと接触しないで、これドキドキ作戦と関係ないように思えるの、私だけ…!?
「ねえ、リリちゃん。ほんとに効果あるの?」
「あるある~今日くらいにはね~」
「ほんとに?」
なかなか効果ないんだけど……ほんとに大丈夫なのかなぁ…?
「今日橘と一緒に帰るんでしょ?」
「まぁ…うん…」
「じゃあ、期待していいと思うわよ?」
ほんとかなぁ……。
そしてー放課後。
「香純」
部活がない涼くんは教室まで迎えに来てくれた。
「香純ちゃん、帰るの?」
最近仲いい男の子佐久くんが声をかけてくれた。
リリちゃんくらいしか友達がいない私は純粋に嬉しかった。
「うん、またね!」
「うん、また明日~!」
「涼くん、おまたせ!」
そう言って涼くんを見上げると不機嫌そうに顔をそむける。
「さっきの男、誰?」
男……?
「あ!佐久くんって言って、最近仲良くなったの!」
嬉しくて涼くんを笑顔で見上げるとまた顔をそむけられてしまった。
「涼くん……?」
「あいつと仲いいの?」
「え……うん!」
「なんで他の男と仲良くすんの?」
笑いかけるって……そんなの言えないよ……
涼くんをドキドキさせるためだなんて……。
「言えない?」
「………」
涼くんは私の手首を掴むなり空き教室に入る。
ードンッ
壁に手をつかれる。
逃げ場がない……。
どうしよう……もう素直に言うべき…?
「ねえ、分かんない?」
「……?」
涼くんは大きく息を吐いた。
「嫉妬、してんの。俺以外の男に笑いかけんなって言ってんの」
嫉妬……?
いつもクールな涼くんが…嫉妬……?
「俺以外の男と親しくすんな」
珍しく余裕がなさそうな涼くんの顔はなんだか見てられなくて顔をそむけた。
涼くんの手が私の頬に触れる。
しまいには強制的に目を合わせられる。
もう仕方ない……っ…。
「…涼くんを…ど、どきどきさせたくて……友達に言ったら、他の男の子たちと仲良くして……って言われて……」
私の言葉に涼くんは「はぁ」と大きく息をついた。
「んな可愛いこと言われたら、怒れないだろ……」
そう言って顔をそむけた涼くんの耳が赤い気がしたのは気のせい……?
「そんな友達の言う事聞くな」
う、うん……そうだよね……だって…涼くんに……し、嫉妬させちゃったんだから……。
「ごめんなさい……」
「香純、愛してる」
そんな言葉とともに降ってきたキスは世界一、いや宇宙一甘い。

                             ~End~

あとがき~

皆さん、こんにちは!
きらら桃姫です!
今回は美少女香純ちゃんとクールなイケメン幼馴染涼くんの物語でした……!
私のキャラポジはリリちゃんですね……!
んもぅ、それはそれは私そっくりなキャラです…!
普段はクールで余裕そうな涼くんの嫉妬したときに出てくる甘いセリフに少しでもキュンとしてもらえれば幸いです!
やっぱり嫉妬の部分が書きごたえ抜群ですね……!
嫉妬の場面さいこー!

では、ここまで読んでくださりありがとうございました……!
またSS書かせていただきたいと思っておりますので、リクエストなどありましたらよろしくお願いいたします!

                           少し足がかじかむ桃姫の部屋より
                                       20251105 きらら桃姫