いつしかわたしは、母との時間が大嫌いになっていました。

リリィとわたしの愛の時間を奪う母を、大嫌いになっていました。

それに、部屋に戻ると、リリィは少し元気がなくなっていました。オレンジ色の部分が、少ししおれていました。

わたしの水とパンを少しあげると、少しだけ元気になりました。パンは嫌いなのか、食べてくれませんでした。

「リリィ」

「わたし」

食べている間、名前を呼び合いました。何か話したい、ずっと話していたいと、脳が言っていました。

最近のわたしは、髪が全くありませんでした。もとから必要な栄養を採っていなかったから、前も少し髪が生えている程度でしたが、最近は頭皮が丸出しです。

何より、母に髪を抜かれたからです。ついでなのか知らないけど、ハサミで頬に傷を付けられました。リリィにこの顔を見せたくないと、何となく思いました。