それからわたしは、リリィに「あいしているわ」と言い続けました。胸の奥に、何か、痛くて、苦しくて、でも幸せで、締め付けられるような感覚を覚えました。

「ねえリリィ、あいしているわ」と言葉を放つ度に、わたしの胸は高鳴りました。わたしはこの感覚が、“好き”と感じていました。


「ねえリリィ、あいしているわ」

「わたし、あいしているわ」

リリィは、「わたし、あいしているわ」と返してくれるようになりました。わたしと呼んでくれたのです。

「ねえリリィ、あいしているわ」

「わたし、あいしているわ」

何度も何度も、ずっとずーっと、わたしはリリィにあいしているわと叫び続けました。もちろん、小声で。

リリィに捧げる愛の儀式は、本当に、本当に楽しい感覚でした。胸の中で何かが渦巻いて、止まらないようでした。

だからこそ、この時間を母に邪魔されるのが、癪に障ってたまりませんでした。