わたしを生かしたリリィへ

「忘れているのも仕方がないわ。あなたとわたしは、身体では初対面なのだから」

訳が分からない。この人は何を言っているのだろう?

身体では初対面?意味不だ。理解できない。

彼女が持ってくれたおかげでさっきよりも軽くなった段ボール。それを持って歩きながら、ぐるぐると思考を巡らせる。

「あの、どういうことですか?失礼は承知してるんですけど、あたし、あなたのこと本当に知らなくて……」

「いいのよ、いいの。知らなくても。でもわたしは、いつか思い出してくれると信じているわ」


「……ねえ、あなたのお名前は?……ああ、ごめんなさい。苗字は要らないわ。名前だけ教えてちょうだい」

「……凜々(りり)、です」

「そう……」

凜々。そういえば、“リリィ”にとても良く似ている。

そう思った時だった。