『あ、左利きルーチェ様だ。おはようございます』
準備が終わって、クラル様の自室に向かうために廊下を歩いてると、廊下ですれ違ったモンスターに話しかけられる。
この世界のルーチェは右利きで、僕は左利き。それ故に、モンスターの間では「左利きルーチェ様」という呼ばれ方になった。
この呼び方を聞いたクラル様は「うちの部下がごめんね?」と謝ってたけど、僕は気にしてない。
「おはよう」と僕が挨拶をすると、モンスターは『そうだ、左利きルーチェ様にも伝えとかないと』と僕を見つめる。
『今、ギルバート様が遊びに来ております』
モンスターの口から出た名前を聞いて、僕は驚いた。
「えっ、ギルバートさんが?えっと、ありがとうね?教えてくれて」
そう言って、僕はモンスターと別れてクラル様の自室へと急ぐ。
あの2人が揃うと、言い合いを始めるんだよな~。言い合いが始まる前に、行かないと……あ、でも……ここパラレルワールドか。僕とルーチェが違うみたいに、クラル様とギルバートさんの関係も違ったりして。
そんなことを思いながら、僕はクラル様の自室のドアをノックする。
「クラル様、ルーチェです。入ってもいい?」
声をかけると、中から「どうぞ」と声が聞こえてきて、僕は部屋に入った。



