「はあ、なるほど」


 説明を聞いた猫又のメブキさんが頷いた。

 下ろされたメトロは、今度はメブキさんの尻尾を追って跳ねていた。


「デュラハンの知り合いなんているかい?」

「そもそもそちらの方はどこからいらしたの? デュラハンは日本のあやかしではないし」

「それがし、下総国は匝瑳の産まれにござるよ。その後津々浦々、全国を周り……気付いたら身体を無くしてここにおった」


 下総って、千葉の北側だっけ。

 けど、千葉を下総と呼んだのはもう百五十年も前のことだ。


「……体、生きてるのかな」

「難しいわねえ」

「でも首は生きてっからな」


 三人(?)で首を傾げた。

 聞こえるのはメトロのニャゴニャゴ甘える声だけで、かわいいはずのそれは、どちらかと言えば不吉な訃音に聞こえた。