「『縁を可視化する薬』?」
僕が聞き返すと影は浅く頷いた。
生首は首をひねろうとして、ひっくり返りかけて、なんとかバランスを取った。
「縁のあるモノと線を繋いで見せる……って言えばわかるか? 例えばお前にかけたら俺やお前の両親と繋がる太い線が見える。友達も見えるだろうけど、線は細くなる」
「縁が強いほど太いってこと?」
「そうだ。首と胴体ならさぞかし太い線だろうさ」
「しかし、メブキ殿はいかようにして、このような薬を手に入れられたのだ?」
生首が言った。予想はつく。
「猫娘に頼んだんでしょ。対価は生首の髪一房か血か涙?」
影は笑った。
「半分正解。生首の髪を一房、それからお前と俺の労働」
「高い薬なんだ」
「そらそうよ。野苺カゴいっぱい、百合の朝露、アザミの刺、あとは……」
生首はしょんぼりした顔で、転げない程度にうなだれた。
「それがしは手を貸せなさそうで申し訳ない……」
「仕方ないよ。その代わり、猫娘が欲しがるだけ、髪をあげて」
「承知つかまつった! いくらでも差し上げようぞ」
生首がニコニコと頷いた。
何に使われるかわかったもんじゃないから、僕だったらぜっっったいに嫌だけど言わない。
それに今回の対価は、がめつい猫娘にしては優しいと思う。
探すのは大変じゃない。でも地道に集めないといけないモノばかりだ。
「じゃあ、雨が上がったら野苺から摘みに行こうか」
僕は大荒れの窓の外を見た。
僕が聞き返すと影は浅く頷いた。
生首は首をひねろうとして、ひっくり返りかけて、なんとかバランスを取った。
「縁のあるモノと線を繋いで見せる……って言えばわかるか? 例えばお前にかけたら俺やお前の両親と繋がる太い線が見える。友達も見えるだろうけど、線は細くなる」
「縁が強いほど太いってこと?」
「そうだ。首と胴体ならさぞかし太い線だろうさ」
「しかし、メブキ殿はいかようにして、このような薬を手に入れられたのだ?」
生首が言った。予想はつく。
「猫娘に頼んだんでしょ。対価は生首の髪一房か血か涙?」
影は笑った。
「半分正解。生首の髪を一房、それからお前と俺の労働」
「高い薬なんだ」
「そらそうよ。野苺カゴいっぱい、百合の朝露、アザミの刺、あとは……」
生首はしょんぼりした顔で、転げない程度にうなだれた。
「それがしは手を貸せなさそうで申し訳ない……」
「仕方ないよ。その代わり、猫娘が欲しがるだけ、髪をあげて」
「承知つかまつった! いくらでも差し上げようぞ」
生首がニコニコと頷いた。
何に使われるかわかったもんじゃないから、僕だったらぜっっったいに嫌だけど言わない。
それに今回の対価は、がめつい猫娘にしては優しいと思う。
探すのは大変じゃない。でも地道に集めないといけないモノばかりだ。
「じゃあ、雨が上がったら野苺から摘みに行こうか」
僕は大荒れの窓の外を見た。



