「影、あれなに?」
「あー?」
学校帰り、僕はへ変な物を見つけた。
ランドセルを背負い直して、空き地に入る。
僕の足元の影は、自分に乗った地域猫のメトロを振り落とそうとジタバタしているけど、子猫のメトロは楽しそうにじゃれつくばかりだ。
「……頭?」
「は?」
影がやっとこっちを見た。
(見たんだと思う。何しろ真っ黒だからよくわからない)
「ちょ、ばか! よくわかんねえもんに近づくなっていつも言ってるだろうが!!」
怒鳴られたときにはもう遅くて、ブロック塀の上の頭が振り返った。
「やっと、やっと我に気づく者が現れた! どうか我の身の上話を聞いて下され!!」
影が深く深く、ため息をついた。
「あー?」
学校帰り、僕はへ変な物を見つけた。
ランドセルを背負い直して、空き地に入る。
僕の足元の影は、自分に乗った地域猫のメトロを振り落とそうとジタバタしているけど、子猫のメトロは楽しそうにじゃれつくばかりだ。
「……頭?」
「は?」
影がやっとこっちを見た。
(見たんだと思う。何しろ真っ黒だからよくわからない)
「ちょ、ばか! よくわかんねえもんに近づくなっていつも言ってるだろうが!!」
怒鳴られたときにはもう遅くて、ブロック塀の上の頭が振り返った。
「やっと、やっと我に気づく者が現れた! どうか我の身の上話を聞いて下され!!」
影が深く深く、ため息をついた。



