きみのとなりは春のにおい

「見た目はおしゃれだけど、内装はすごく落ち着いた感じ。二人で話すにはちょうどいいと思う」


「……それ、いいかも……」


その言葉に、ひよりの中でひとつのイメージがふわりと形を持ちはじめる。

(宙くん、喜んでくれるかな……)


スマホの画面に視線を落とし、「図書カフェ」の写真をそっと開く。


「ドキドキする」


思わずこぼれたひよりの言葉に、まゆが優しく笑った。


「うん。ドキドキするのはね、ちゃんと“好き”ってことだよ」


その言葉が、そっと背中を押してくれた。