きみのとなりは春のにおい

「うわ……まじか。やっぱり目立ってた?」

「少しだけ。でも……そういうとこ、素敵だと思う」


言ってから、少しだけ鼓動が早くなった。


でも不思議と、嘘じゃないって思えた。


宙くんも、驚いたように少し目を見開いて、それからふわっと笑った。


その笑顔を見た瞬間、
「わたしなんか」なんて思っていた気持ちは、どこかに消えていた。