至上最幸の恋

 それにしても、磯崎さんのように素敵な方が、まだご結婚されていないなんて。

 週刊誌に出ている熱愛報道はどれも事実ではないと仰っていたし、恋人もいらっしゃらないのかしら。

 だめだめ、余計な詮索をしてはいけないわ。

 磯崎さんには幸せでいていただきたいけれど、人それぞれの価値観があるものね。結婚がすべてとは限らないし。

 いけない。考えごとをしていると、また眠れなくなってしまうわ。早く寝ましょう。

 スタンドライトの灯りを消して、ベッドへ潜る。
 明日も幸せな日になりますように。そう願って、眠りについた。

 そして翌日。最終打ち合わせのため、黒瀬さんと一緒に磯崎さんの事務所へ向かった。

 第一線で活躍されている磯崎さんは、いつも本当にお忙しそう。そんな方に写真集を撮っていただけるなんて、本当にありがたいことなのよね。

「わざわざご足労いただいて、すみません」

 磯崎さんが笑顔で出迎えてくれる。朝一番でも、とても爽やかだわ。

 打ち合わせには、出版社やヘアメイク、スタイリストの方も参加して、撮影日程や衣装、ウィーンで巡る場所、写真集全体のコンセプトを確認した。

 私の仕事には、本当に多くの人たちが関わっている。自分ひとりでできることなんて、なにもないのよね。

 プロとして求められたことに応えながら、私にしかない色を見せなくちゃ。