至上最幸の恋

 しかし、永遠に続くものなどないのかもしれない。どのような縁も、きっといずれは途切れる。
 絵も同じだ。永遠の美を閉じ込めるつもりで描いても、いつかは色褪せてしまうのだろう。
 
 それでも描かずにはいられない。これが、画家の性分というやつなのか。

「瑛士君は、いまから車で景色を見てまわるっちゃろ?」
「はい。教えていただいた、芥屋の大門にも行こうと思っています」
「よし。それなら、夕方くらいにその名刺の住所においで。そこから、うちまで一緒に帰ろう」
「分かりました。ありがとうございます」

 車の中で寝ることも考えていたので、信さんの申し出は、正直ありがたかった。

 しかしお世話になりっぱなしなのは申し訳ないので、滞在中に好みを聞いて、お礼の品を準備しなくては。そして糸島の絵を描いたら、まずは信さんに贈ろう。

 ひとまず定食屋を出て、教えてもらったサンセットロードへ向かった。
 その名の通り、美しい夕日が見られる場所がいくつもあるらしい。今日は天気がよくて空気が澄んでいるので、帰り道が楽しみだ。

 馴染みのない街にいるというだけで、気分が高揚してくる。どうやらオレは、純粋に旅が好きらしい。
 いろいろな意味で身軽になったことだし、これからはもっと足を伸ばして、いろいろな場所へ行こう。

 そんなことを考えながら車を走らせていると、眩しいほどに輝く海岸線が見えてきた。