──翌日の社内。
「聞いた!? オバケ片岡、歩きスマホで落ちて死んだって話してたんだって!」
「ひゃあぁぁぁーーーっっ!! 怖いけど勉強になるぅぅーーー!!」
片岡(現代)はコーヒーを置き、静かに呟いた。
「……やはり我が家系、情報を追う者の宿命……」
佐竹は冷ややかに一言。
「せめて現代では命綱をつけろ」
再び夜の橋。
現代片岡が、震える声で問う。
「ご先祖様……やはり……銀も……?」
霧の中から響く低い声。
オバケ片岡は眼鏡を光らせ、堂々と答える。
「銀の真価を見誤ってはならない。再エネ需要の拡大が工業利用を押し上げ、インフレや市場不安が進むほどに、投資資産としての存在感も増しているのだ……愚か者」
川面が光を反射し、まるで銀色の波が広がるかのよう。
現代片岡は深くうなずいた。
「やはりご先祖様……時代を越えても片岡家は金融リテラシーを忘れぬ血脈……!」
オバケは静かに手を差し伸べ、最後に囁いた。
「……積立はドルコスト平均法だ……」
そして霧に溶けて消えていった。

