夜、海斗に会った。


「…海斗、今日で最後にする」

「……。」


海斗は無言。


「ねぇ、何で好きじゃないのに付き合ってるの?」

「…里奈には俺がいなきゃダメだからさ」


「…私のことが好きなのに?」

「じゃあ付き合ってくれんのか?」


少し怒ったような口調。


「……。」


「俺が好きになったやつは里奈の標的にされる。俺が里奈を好きになるのが一番いい方法」


「もう、逃げちゃいなよ。海外でもどこでも」

「美羽が一緒なら行く」


「私は海斗のこと友達だと思ってるよ」

「じゃあ何で…抱き合ってるんだ?」


海斗の手が腰に回り力強く引き寄せられる。


「私からはしてない」

「美羽はずるい…」