「お待たせ…」


「ありがとう」

「ちょっと焦げちゃったけど…」


「食べさせて」

「えぇ!?」

「俺、病人」


「うぅ…じゃあ…あーん…」

「あーん」


パクっ


「おいしい」

「嘘だぁ!おいしくないよ…」

「不器用なところも可愛いね」

「なっ…」


顔が熱くなる。


「ん?和田さんも風邪引いた?」

「引いてない!っておいしくないって事じゃん!」

「あはは、冗談冗談」


「もう…でも元気そうで良かった」

「和田さんのおかゆのおかげだよ」

「そういうこと言わなくていい!」


私はお皿を片付けて吉川くんの部屋に戻った。


「それじゃあ帰るね」

「うん。ありがとう。…あ、和田さん、自分が可愛いってこと自覚してね。帰り道気をつけて」

「はぁ~!?何も心配することは無いです!」


バタンっ


は~、吉川くんはさらっとそういうこと言うんだから…。