ガラガラ…

保健室には誰もいなかった。


「そこ座って」

「あ、うん」


「…初めて会った時、和田さんと栗原さんって似てるなと思ったけど全然違うね」

「…私より美羽の方がいいでしょ」


「そんなことは言ってないよ。和田さんってみんながいる時に話しかけるとツンツンしてるけど2人きりだとそうでもないよね」

「なっ…」


「栗原さんが関係してるの?」

「……」

「2人、何かあったでしょ。いとこなのは分かるけど…」

「うるさい!!」


吉川くんの体がビクッと跳ねた。


「…ごめん。もう私たちに関わらないで…」


私はまた走った。

美羽さえいればいい。

友達なんて要らない。

彼氏なんてもっと要らない。

美羽と2人きりの世界になって欲しい。