｢和田さんは可愛いよ。ムチムチしてる所も好き。不器用だけど一生懸命なところ、いつも栗原さんのことを想う優しいところ…全部好きだよ｣


吉川くん…。


｢ううぅ…｣


私は吉川くんに抱きついて泣いた。


｢他に聞きたいことはない？｣

｢えっと…名前で呼んで欲しい…｣

｢……。｣


吉川くんの反応がない…。


｢やっぱり…ダメだよね…｣


というか付き合ってない…しね。


｢…麻衣｣


｢…え？｣

｢聞こえなかった？じゃあもっと近くで言うね｣


グイッと引き寄せられ…


｢…麻衣｣


耳元で囁かれた。


｢～～～っ｣

｢じゃあ俺の名前も呼んで｣

｢えっと…｣

｢俺は言ったよ～？｣

｢…言うから！｣


スーーハーー。


深呼吸。

…。


｢しゅ…う｣


｢可愛すぎ｣

強く抱きしめられる。

｢わっ｣

｢ごめん、苦しかったね。また不安になったら言って。何度でも言うから｣

｢うん…｣