ガチャ…

ドアを開けてエレベーターに乗る。


緊張する…。


…。


「天宮くん!お待たせ!」


「あらあら、こんばんは」

「こんばんは。栗原さんと同じクラスの天宮陸です。娘さんと一緒に花火大会に行ってもよろしいでしょうか」

「…いい人ね。美羽のことよろしくお願いします」

「え、いいの!?」


てっきり家に連れ戻されるのかと…。

「美羽、高校に入ってから笑うことが増えたのよ。天宮くんといて笑っていられるならお母さんは応援するわ。楽しんでね」

「ありがとう!天宮くん、いこっ」


「栗原さんは俺が命に替えてでも守ります」

天宮くんはお母さんにお辞儀をした。


「いやいや、命に替えないでよ!」

「栗原さん、下駄で走ると危ない」

「ね、どう?この浴衣」

私はくるっと回った。


「…似合ってる」

「可愛いでしょ~!天宮くんもかっこいいよ!」