…気づけば天宮くんが私を抱きしめていた。


「…俺が幸せにする」


「あの時…里奈と会った時魔法をかけたの。でも…天宮くんに抱きしめられたら…魔法が解けちゃった」

「うん」

「海斗の時は解けなかったのに…天宮くんだとかけられない…」


「かけなくていい。ありのままの栗原さんが好き」

「うぅっ…ありがとう…返事は…もう少し待ってて…」

「うん。分かった」


……。

…。


帰りは家まで送ってくれた。


「天宮くん、ありがとう!次は花火大会だね!」

「あぁ。浴衣楽しみにしてる」

「私のこと、もっと好きになっちゃうかもね♪」

「…そうだな」


天宮くんはフッと笑った。