さらに歩いて30分…。


「まだ着かないの…?」

「もうすぐ!ほら!」


私は正門を指さした。


「すごい…山に囲まれてる…セミうるさっ」

「あはは。部活の練習はその辺の廊下でやってるよ」

「えぇ!?暑くない?」

「扇風機あるよ」

「いやいや…」


「あ!麻衣ちゃーん!部活?あれ、その子は?」

「優花ちゃん~いとこの美羽だよ!」

「美羽ちゃん、可愛いね~」


「おーい!麻衣ー!」

「たける~おはよう!」

「おはよ!ん?そいつは?」

「いとこの美羽だよ!」

「俺はたける。よろしくな!麻衣、後で宿題見せてくれよ!」

「えー!自分でやってよ!」


「たけるくん、優花と一緒にする?麻衣ちゃん部活だって」

「ちぇっ!仕方ないなー」

「2人とも、バイバイ~」


「ねぇ、麻衣。さっきの2人とは仲良いの?」

「うん。というか生徒全員が仲良いよ。全体で30人ぐらいしかいないなら皆家族みたいな感じ」

「家族…いいね」