成人式の日
○日中、マンション
書斎で仕事をする宏樹のスマホに通知が来る。
弥生からメッセージと写真が送られてきた。
弥生『無事終わりました』
振袖姿の弥生と友人の写真。
宏樹「…これはやばいな」ボソッと
友達からと一旦別れ、振袖を脱ぐため実家に帰る途中、宏樹からの返信が来る。
宏樹『お疲れ様。すごく似合ってる、可愛い』
弥生「さらっと言うんだから…」照れてる
次の週
○朝、玄関
宏樹を見送る弥生。
弥生「行ってらっしゃいませ。お気をつけて」
宏樹「ありがとう。行ってきます」
リビング
弥生(バイトも遊びの予定もない土曜日久々かも。何しよっかなー。…久しぶりにクッキーでも焼こうかな)
○昼過ぎ、リビング
弥生がテーブルで勉強していると
ガチャ、芳樹が入って来た、コートにスーツ姿。
弥生「あ…こんにちは」
芳樹「…まだいんのかよ」
弥生「…。」
(言うと思ったー)
芳樹はソファに座り、ローテーブルにパソコンを置き開く。キッチンからその様子をみている弥生。
弥生(宏樹さんの弟だから悪い人じゃないはずなんだけど、敵対視されてる感がなぁ。まぁでも、歩み寄ってみるのも大事だよね)
カチャ、ローテーブルにミルクティーと弥生の作ったクッキーを置いた。
弥生「良かったらどうぞ。クッキーは手作りなので、苦手だったら食べなくて大丈夫です」
芳樹「…ありがと」少し驚いている
弥生はダイニングテーブルで自分用を食べる。
もぐっ、芳樹がクッキーをかじる
芳樹「うまっ…」見開く
その様子を見て嬉しそうに微笑む弥生。
芳樹「おかわりある?」
弥生「ありますよ」
皿を受け取りキッチンへ
弥生「同じ会社で働くって、すごく仲が良いんですね」キッチンから話しかける
芳樹「え、あぁ…」
(そういやコイツ、まだ兄貴が副社長って知らねーのか)
「仲良いつーか、歳も離れてるから小さい頃から兄貴には色々面倒みてもらったんだよ。その恩返しになればと思って、サポート頑張ってるけど、役に立ててる感じしねーし、やっぱ兄貴みたいにはなれないんだよなぁ」
弥生「芳樹さんに仕事で助けられることも多いって言ってましたよ?」
芳樹「え、兄貴が?」
頷く弥生
芳樹「まじか…」隠しきれない嬉しい表情
弥生(喜んでる…)
夜、仕事から帰ってきた宏樹
宏樹「あ、芳樹来たんだ」
テーブルの上の資料を見ながら
弥生「はい」
宏樹「また失礼なこと言われなかった?」
弥生(言われたような…)
「いえ、大丈夫ですよ。私の作ったクッキー食べてくれたし、前よりは距離が縮まった気もします」
宏樹「え、クッキー?」
弥生「今日時間があったので、オーブンお借りして焼いたんです。そしたらちょうど芳樹さんが来て」
宏樹「そのクッキーまだ余ってたりする?」
弥生「あ…お口にあったみたいで、芳樹さんが全部食べちゃいました」
宏樹「そっか…」
弥生(あれ、残念がってる?)
宏樹「今度から僕の分も絶対残してて。というか芳樹よりも先に僕が食べたかったな」拗ねてる
弥生(なんか…拗ねてる?え、かわいいんだけど)
「あはは、分かりました!次作った時は宏樹さんに1番に食べてもらいますねっ!」無邪気な笑顔
頬染まる宏樹
2月
○昼間、ルームシェアしていたマンション
玄関前に立つ弥生。
弥生(久々だな…)
チャイムを押す
ガチャ、実紅の婚約者である彼氏が出てきた
彼氏「あ、こんにちは、初めまして」
弥生「初めまして、お邪魔します」
リビング
実紅「弥生ー!久しぶりーっ!」
弥生「久しぶり。体調どう?」
実紅「やっとつわりも落ち着いて、食欲が増してきた感じ」
弥生「そっか。性別はもう分かったの?」
実紅「まだなのー。次の検診で分かると思う」
弥生「そうなんだ、楽しみだね」
彼氏「あの、望月さん」
弥生「あ、はい」
彼氏「俺たちの自分勝手な行動で困らせてしまって、本当にすみませんでした。謝罪が遅くなったことも申し訳ありません」
実紅と彼氏が頭を下げる。
弥生「ええ!?いや、2人とも頭あげてください。最初はびっくりはしたけど…結婚や出産のほうが何百倍も大事だし、2人が幸せならそれでいいからさ」
実紅「弥生…」
○夜、マンション、リビング
ソファで話す2人。
宏樹「幼なじみの子は元気だった?」
弥生「はい、いつも通り明るく元気でした。お相手の方とも初めて会ったんですけど、想像よりしっかりした人で、実紅を任せられるなって安心しました」
宏樹「まだ入籍してないんだっけ?」
弥生「来月するみたいです」
宏樹「そうなんだ。話だけ聞く限り、すごく面白そうな子だよね」
弥生「そうですね、一緒にいると楽しいですよ。実紅は私と違って何でも積極的で、大胆な事も平気で出来ちゃうんです。周りからはよく振り回されて大変だねって言われるんですけど、私は大変だと思ったことはなくて。もちろん、呆れたり困ったりはあるけど、実紅のおかげで経験できた事、出会えた人がたくさんなんです。もしパーティーに誘われなかったら、宏樹さんに出会う事はなかったと思うし」
宏樹「じゃあ、僕も感謝しなきゃ」
弥生「?」
宏樹「実紅ちゃんは僕たちのキューピッドかもね」
弥生の頭をポンポンする。
弥生(深い意味はないと分かってる。だけど、少しだけ嬉しくなってしまう自分がいる)
バレンタインデー
○朝、リビング
弥生「あの…いつもお世話になっているので、よかったら」
ラッピングしたクッキーとブラウニーを渡す。
宏樹「え、僕に?」
頷く弥生。
宏樹「開けていい?」
弥生「はい」
開けて中を見る宏樹
宏樹「わぁー美味しそう!」
弥生「ココアクッキーとチョコブラウニーどっちを作ろうか迷ったんですけど、決めきれなくて」
宏樹「ありがとう!すごく嬉しいよ!」嬉しそう
弥生「あ、今日芳樹さんと会う予定ありますか?」
宏樹「うん、あるよ」
弥生「これ渡しておいてもらえますか?」
ブラウニーを手渡す
宏樹「わざわざよしにも用意してくれたの?」
弥生「宏樹さんの弟さんですし、前のクッキー気に入ってくれたようなので」
宏樹「…わかった、渡しておくよ」
○羽瀬川不動産本社、副社長室
芳樹「では、また打ち合わせ前にお迎えにあがります」お辞儀
宏樹「よろしく。…あ、そういえば」
カバンからブラウニーの袋を取り出し、芳樹に差し出す。
芳樹「え、なに?…チョコ…え!?兄貴から俺にバレンタイン!?」
宏樹「なわけないだろ。弥生ちゃんからだ」
芳樹「あー、そゆことね」
袋を手にするが、宏樹の手が離そうとしない。ぐぐぐ…
芳樹「…なに!?」
宏樹「いらないなら俺が食べるから」
芳樹「いらないって言ってねーじゃん。絶対美味いもん、これ。だから貰う」
宏樹「…今日は俺が1番だからな」ムスッと可愛い感じ
芳樹(何の話?)
○日中、マンション
書斎で仕事をする宏樹のスマホに通知が来る。
弥生からメッセージと写真が送られてきた。
弥生『無事終わりました』
振袖姿の弥生と友人の写真。
宏樹「…これはやばいな」ボソッと
友達からと一旦別れ、振袖を脱ぐため実家に帰る途中、宏樹からの返信が来る。
宏樹『お疲れ様。すごく似合ってる、可愛い』
弥生「さらっと言うんだから…」照れてる
次の週
○朝、玄関
宏樹を見送る弥生。
弥生「行ってらっしゃいませ。お気をつけて」
宏樹「ありがとう。行ってきます」
リビング
弥生(バイトも遊びの予定もない土曜日久々かも。何しよっかなー。…久しぶりにクッキーでも焼こうかな)
○昼過ぎ、リビング
弥生がテーブルで勉強していると
ガチャ、芳樹が入って来た、コートにスーツ姿。
弥生「あ…こんにちは」
芳樹「…まだいんのかよ」
弥生「…。」
(言うと思ったー)
芳樹はソファに座り、ローテーブルにパソコンを置き開く。キッチンからその様子をみている弥生。
弥生(宏樹さんの弟だから悪い人じゃないはずなんだけど、敵対視されてる感がなぁ。まぁでも、歩み寄ってみるのも大事だよね)
カチャ、ローテーブルにミルクティーと弥生の作ったクッキーを置いた。
弥生「良かったらどうぞ。クッキーは手作りなので、苦手だったら食べなくて大丈夫です」
芳樹「…ありがと」少し驚いている
弥生はダイニングテーブルで自分用を食べる。
もぐっ、芳樹がクッキーをかじる
芳樹「うまっ…」見開く
その様子を見て嬉しそうに微笑む弥生。
芳樹「おかわりある?」
弥生「ありますよ」
皿を受け取りキッチンへ
弥生「同じ会社で働くって、すごく仲が良いんですね」キッチンから話しかける
芳樹「え、あぁ…」
(そういやコイツ、まだ兄貴が副社長って知らねーのか)
「仲良いつーか、歳も離れてるから小さい頃から兄貴には色々面倒みてもらったんだよ。その恩返しになればと思って、サポート頑張ってるけど、役に立ててる感じしねーし、やっぱ兄貴みたいにはなれないんだよなぁ」
弥生「芳樹さんに仕事で助けられることも多いって言ってましたよ?」
芳樹「え、兄貴が?」
頷く弥生
芳樹「まじか…」隠しきれない嬉しい表情
弥生(喜んでる…)
夜、仕事から帰ってきた宏樹
宏樹「あ、芳樹来たんだ」
テーブルの上の資料を見ながら
弥生「はい」
宏樹「また失礼なこと言われなかった?」
弥生(言われたような…)
「いえ、大丈夫ですよ。私の作ったクッキー食べてくれたし、前よりは距離が縮まった気もします」
宏樹「え、クッキー?」
弥生「今日時間があったので、オーブンお借りして焼いたんです。そしたらちょうど芳樹さんが来て」
宏樹「そのクッキーまだ余ってたりする?」
弥生「あ…お口にあったみたいで、芳樹さんが全部食べちゃいました」
宏樹「そっか…」
弥生(あれ、残念がってる?)
宏樹「今度から僕の分も絶対残してて。というか芳樹よりも先に僕が食べたかったな」拗ねてる
弥生(なんか…拗ねてる?え、かわいいんだけど)
「あはは、分かりました!次作った時は宏樹さんに1番に食べてもらいますねっ!」無邪気な笑顔
頬染まる宏樹
2月
○昼間、ルームシェアしていたマンション
玄関前に立つ弥生。
弥生(久々だな…)
チャイムを押す
ガチャ、実紅の婚約者である彼氏が出てきた
彼氏「あ、こんにちは、初めまして」
弥生「初めまして、お邪魔します」
リビング
実紅「弥生ー!久しぶりーっ!」
弥生「久しぶり。体調どう?」
実紅「やっとつわりも落ち着いて、食欲が増してきた感じ」
弥生「そっか。性別はもう分かったの?」
実紅「まだなのー。次の検診で分かると思う」
弥生「そうなんだ、楽しみだね」
彼氏「あの、望月さん」
弥生「あ、はい」
彼氏「俺たちの自分勝手な行動で困らせてしまって、本当にすみませんでした。謝罪が遅くなったことも申し訳ありません」
実紅と彼氏が頭を下げる。
弥生「ええ!?いや、2人とも頭あげてください。最初はびっくりはしたけど…結婚や出産のほうが何百倍も大事だし、2人が幸せならそれでいいからさ」
実紅「弥生…」
○夜、マンション、リビング
ソファで話す2人。
宏樹「幼なじみの子は元気だった?」
弥生「はい、いつも通り明るく元気でした。お相手の方とも初めて会ったんですけど、想像よりしっかりした人で、実紅を任せられるなって安心しました」
宏樹「まだ入籍してないんだっけ?」
弥生「来月するみたいです」
宏樹「そうなんだ。話だけ聞く限り、すごく面白そうな子だよね」
弥生「そうですね、一緒にいると楽しいですよ。実紅は私と違って何でも積極的で、大胆な事も平気で出来ちゃうんです。周りからはよく振り回されて大変だねって言われるんですけど、私は大変だと思ったことはなくて。もちろん、呆れたり困ったりはあるけど、実紅のおかげで経験できた事、出会えた人がたくさんなんです。もしパーティーに誘われなかったら、宏樹さんに出会う事はなかったと思うし」
宏樹「じゃあ、僕も感謝しなきゃ」
弥生「?」
宏樹「実紅ちゃんは僕たちのキューピッドかもね」
弥生の頭をポンポンする。
弥生(深い意味はないと分かってる。だけど、少しだけ嬉しくなってしまう自分がいる)
バレンタインデー
○朝、リビング
弥生「あの…いつもお世話になっているので、よかったら」
ラッピングしたクッキーとブラウニーを渡す。
宏樹「え、僕に?」
頷く弥生。
宏樹「開けていい?」
弥生「はい」
開けて中を見る宏樹
宏樹「わぁー美味しそう!」
弥生「ココアクッキーとチョコブラウニーどっちを作ろうか迷ったんですけど、決めきれなくて」
宏樹「ありがとう!すごく嬉しいよ!」嬉しそう
弥生「あ、今日芳樹さんと会う予定ありますか?」
宏樹「うん、あるよ」
弥生「これ渡しておいてもらえますか?」
ブラウニーを手渡す
宏樹「わざわざよしにも用意してくれたの?」
弥生「宏樹さんの弟さんですし、前のクッキー気に入ってくれたようなので」
宏樹「…わかった、渡しておくよ」
○羽瀬川不動産本社、副社長室
芳樹「では、また打ち合わせ前にお迎えにあがります」お辞儀
宏樹「よろしく。…あ、そういえば」
カバンからブラウニーの袋を取り出し、芳樹に差し出す。
芳樹「え、なに?…チョコ…え!?兄貴から俺にバレンタイン!?」
宏樹「なわけないだろ。弥生ちゃんからだ」
芳樹「あー、そゆことね」
袋を手にするが、宏樹の手が離そうとしない。ぐぐぐ…
芳樹「…なに!?」
宏樹「いらないなら俺が食べるから」
芳樹「いらないって言ってねーじゃん。絶対美味いもん、これ。だから貰う」
宏樹「…今日は俺が1番だからな」ムスッと可愛い感じ
芳樹(何の話?)



