4月
○夜
外を並んで歩く弥生と宏樹。2人とも私服。
屋形船乗り場に着いた。
宏樹「着いたよ」
弥生「屋形船?」
宏樹「うん、こういうお花見もいいかなって」
弥生「私、屋形船初めてです!」テンション上がっている
宏樹「良かった。足元気をつけて」手を差し出す
乗り込む2人。

桜と月とビルの光が合わさり美しい光景。
弥生「わぁー綺麗…」
宏樹「天気も良くて最高だね」

外を見る弥生の横顔、その弥生を見る宏樹
宏樹「…弥生ちゃん」
弥生「はい」宏樹の方を向く
宏樹「今夜は貸切だからさ…」
ちゅ、弥生にキスをする
唇離れる、アップめ
照れている弥生の頭を撫でる宏樹。
弥生(付き合い初めてからの宏樹さんは甘々だ)


3年生になった弥生たち
○昼間、大学内のカフェ
昼休みにテラス席で話す弥生、多世、陽奈
多世「お兄さんが御曹司ー!?付き合い始めたーっ!?」大声
弥生「うん」
多世「待って待って。情報が多すぎてパニックなんですけどぉー!」
陽奈「副社長ってことは次期社長ってことだよねぇ。弥生ちゃん、社長夫人かぁ」
弥生「いや別に結婚するって決まったわけじゃないから」
多世「お兄さんの年齢からして結婚も視野に入れてるに決まってるじゃない!」
弥生(結婚…。いやいや、私まだ学生だし)
「ちょっとお手洗い行ってくる」
席を外す弥生。
陽奈「ツッチーが知ったらどうなるかなぁ」
多世「隣に引っ越してこないだけで相当ダメージ喰らってんのに、彼氏ができたなんて知った日には…即死かもね」

○夜、マンション、リビング
夜ご飯中の2人
宏樹「あのさ、弥生ちゃんのご両親にご挨拶しに行きたいんだけど大丈夫かな?」
弥生「え!?挨拶?」
宏樹「付き合ったことで同棲という形になったわけだし、さすがに大切な娘さんを無断で預かるわけにはいかないから」
弥生「うちの親はそんなの気にしないと思いますよ?それに仕事のことを聞かれたら…」
宏樹「正直に伝えたいけど、いきなりは驚かせてしまうかもしれないから、最初に弥生ちゃんに伝えていたように会社員で話そうと思う」
弥生「…分かりました」

パジャマ姿の2人。
宏樹「弥生ちゃん、明日は午前中予定ないよね?」
弥生「はい」
宏樹「僕、今夜は仕事しないし、明日は午後出社だから…僕の寝室で一緒に寝ようか」
弥生「…え!?いやいや、無理です無理です」
宏樹「何で?もう恋人同士なのに」
ひょいっ、弥生をお姫様抱っこする
弥生「わあっ!?」
宏樹「連行しまーす」笑顔

寝室
どさっ、ゆっくりベッドに弥生をおろす
薄暗い中、宏樹が覆い被さる全体図。
弥生目線の宏樹の顔、上から迫ってくる色っぽい男の表情。
頬を染め恥ずかしそうな弥生。
宏樹「…何でそんなに可愛いの?」
ちゅ、キスをする。
そのまま深いキスへ、口元アップ

弥生(好きと恥ずかしいと愛おしいと…色んな感情が混ざり合う。触れ合う肌が夢じゃないと教えてくれる)
お互い裸なことが分かるシーン。


次の日
○朝、宏樹の寝室
ベットの上で目覚める宏樹。隣を見るとまだ寝ている弥生。身体は宏樹の方を向いている。
弥生の寝顔を見て微笑む宏樹。
宏樹(寝顔まで可愛いとかやばいな)

うつ伏せで上体を起こし頬杖をつき弥生をずっと見てる。
宏樹(一緒に暮らしていたとはいえ、一線引いていた部分がお互いあったから、これから色んな一面を知れるの幸せだな)
弥生「ん…」
目を覚まし、宏樹と目が合う
宏樹「おはよ」ニコッ
弥生「!?…おはようございます」恥ずかしそう
宏樹(あー可愛い)
ぎゅーっ!!
軽く覆い被さり抱きしめる。


数日後
○夕方、大学
弥生、多世、陽奈、土田が構内を歩いている。
土田「みんなが予定ないの久々じゃない?カラオケでも行く?」
陽奈「いいねぇ」
弥生「あ、私、彼が迎えに来るから今日はごめん」
土田「…彼?」
多世(あっ、やばい!)
弥生「あ、ツッチーに言えてなかったんだけど、彼氏ができたの」
土田「え、まじで!?誰!?この大学のやつ!?」パニック
多世(ありゃ…)
弥生「前に一度会った羽瀬川さんって覚えてる?」
土田「あー忘年会でモッチーを迎えに来てくれた…え、まさか」
弥生「うん、羽瀬川さんと」
陽奈「ツッチー会ったことあるんだぁ」
土田「すげーイケメンのお兄さん…。え、あの時もう…」
弥生「あの時は付き合ってないよ」
土田「そっか…」
弥生「じゃ、私先に行くね!お疲れ様」
手を振る多世と陽奈。
沈んでいる土田の肩に手を置く2人。
多世「パァーッと歌って失恋の傷みを忘れなさい!」
陽奈「何時間でも付き合うよぉ」


5月
○弥生の実家
挨拶の日
玄関を開ける弥生。宏樹はジャケット姿。
弥生「ただいまー」
リビングから母が出てくる。
母「おかえり」
宏樹を見る
母(!?…イケメン!)頬染め驚き
宏樹「初めまして、羽瀬川と申します。本日はお忙しいところお時間をいただきありがとうございます」お辞儀
母「弥生の母です。こちらこそわざわざありがとうございます。さ、上がって上がって」

リビングに入ると父がソファに座っている、後ろ姿。
母「あなた」
立ち上がり振り返る父
父「やぁ、いらっしゃい」

テーブルに座る4人。母の前に宏樹。
宏樹「改めまして、弥生さんとお付き合いさせていただいております羽瀬川と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
母「そんな畏まらなくていいから。弥生から聞いたんだけど、年上で社会人なのよね?」
宏樹「はい。年齢は30歳で、会社員をしております」

母「弥生が彼氏を家に連れて来るなんて初めてで、私も主人も驚いちゃって。ね、あなた」
父「俺なんて彼氏がいるのも知らされたことなかった」少し不満げ
宏樹「え、初めてだったの?」弥生に向かって
弥生「はい、そうですよ?」
嬉しそうな宏樹

宏樹「事後報告になり、大変申し訳ないのですが、少し前から弥生さんと一緒に住んでいます」
母「えっ!?そうだったの!?実紅ちゃんとルームシェアやめたのって…」
弥生「違うよ。ルームシェアが無理になって、困ってた時に宏樹さんが助けてくれたの」
母「そうだったのね。ありがとうございます」宏樹に頭を下げる
宏樹「助けられたのは僕の方です。弥生さんが来てくれたおかげで充実した毎日を過ごせています」
母「ラブラブなのね」
父「娘はまだ大学生で、社会人の君から見れば子供みたいかもしれないが、対等に支え合ってもらえたらと思う」
弥生(お父さん…)
宏樹「はい、ありがとうございます」

清華の部屋にいる2人。
ラグの上に座り、高校の卒アルを見ている。
弥生「3年前だから見てもそんなに面白くないですよ?」
ページめくる
弥生「あ、ここだ」
クラスの個人写真ページ
宏樹「おぉ、女子高生だぁ!なんか制服姿新鮮だね」
弥生「この制服人気で、制服目当てで受験する人もいるくらいなんですよ。男子の制服もカッコよくて」懐かしそうにアルバム見る
宏樹「元カレとかこの中にいたりする?」
弥生「え…」
(教えるのは違うよね?)
「さぁ、どうでしょう」
宏樹「あーはぐらかした」

実家を後にする2人、見送る両親のシーン。

○マンションの最寄り駅
改札を通った後
弥生「ちょっとお手洗い行ってきますね」
宏樹「うん」

弥生が男性(元カレ)とすれ違う。元カレの顔は分からないように。弥生は気付いていない。
元カレ立ち止まり、振り返る。
元カレ「…弥生?」口元のみ。