こちらはマンガシナリオです【私を拾ってくれたのは仮面のお兄さんでした】

8月
○ルームシェアマンション、リビング
弥生(望月 弥生、大学2年生の20歳。違う大学に通う幼なじみの実紅と同居中)
弥生「仮面パーティー?」
実紅「うん、仮面パーティー!目元を仮面で隠した男女が交流するの」
弥生「つまり、仮面つけて合コンするってこと?」
実紅「簡単に言えばそんな感じ。でもね、ただの合コンじゃないの!女性参加者は20歳越えなら学生でも可なんだけど、男性参加者は25歳以上の社会人のみ!しかも、年収もまぁまぁ良い人が参加するらしいよ。ヤバくない!?」目をキラキラさせている
弥生「へぇー」適当な返事
実紅「もぉー、弥生どうでもいいと思ってるでしょー!?」
弥生「どうでもいいっていうか、実紅が楽しんで来る話でしょ?」
実紅「なに言ってんの!弥生も参加するんだよ?」
弥生「…え…ええ!?」


約1週間後
○夜、高級ホテル、宴会場
複数のテーブルの上にオードル。目元を仮面で隠し、ドレスアップした男女数十人が立食パーティーを楽しんでいる様子。みんや胸元に下の名前がカタカナで書かれた名札をつけている。スタッフが飲み物を運びながら歩いている。

グラス片手に会場の隅で1人立っている弥生。
弥生(…私、場違いじゃない?席に座って自己紹介とかないのは有難いけど、自由すぎるのもなぁ…)
離れたところで男性2人と話す実紅の姿。
弥生(さすが実紅、本気度が違う。昔から玉の輿狙ってたもんなぁ)
グラスに口をつける。
弥生(目元を隠すだけで見た目気にせず話せる感じなのねぇ…)周りの男女見ながら

男性「君、1人?」
弥生「え…あー、友達は向こうで話してて」
男性「そうなんだ。俺も一緒に来たやつが他の子と盛り上がっちゃって。よかったら、ちょっと話そうよ」
弥生「…はい」

男性「その部下が使えなくてさぁ…」ペラペラ話している
弥生(さっきからこの人、自分の自慢話か人の悪口ばっかりなんだけど。聞いてて疲れる…)
空になったグラスをじっと見る。
弥生(新しい飲み物取りに行きたい)
男性「つーか、ヤヨイちゃん絶対美人でしょ?仮面してても美人オーラすげーもん」
弥生「いえ、そんなことは…」
男性「…ねぇ、抜け出さない?」弥生の耳元で
弥生「それは、ちょっと…」
男性「いいじゃん、お友達も楽しんでるし、ヤヨイちゃんもさ」
弥生の腕を持つ
弥生(えっ、なんかこの人に触られるの嫌)
「あの、困ります」
男性「ちょっとだけだからさ、ね?」
弥生(どうしよう、大声出す?でも…)
宏樹「嫌がってますよ?」後ろ姿と声のみ
弥生(え…)
声の方を向く弥生
宏樹の全身または上半身ショット。仮面してても隠しきれないイケメンオーラ、スラっとモデル体型。
男性「え、何あんた。ヤヨイちゃんの知り合い?」
宏樹「知り合いではないですけど、困ってるように見えたので」
男性「別に困ってないんで、邪魔しないでもらえます?」
宏樹「ほんとに困ってない?」弥生に向け顔を傾ける
ぐっと唇に力を入れる弥生
弥生「…困ってます」
口元にこりとする宏樹。
宏樹「だそうですよ」
男性「…っ、なんだよっ、せっかく話しかけてやったのに」
文句を言いながらその場から去って行く。
宏樹「大丈夫?」
弥生「あ、はい。助けてくれてありがとうございました」お辞儀
宏樹「いえいえ。先越されたから、つい声かけちゃった」
弥生「え?」
宏樹「あ、ここのホテル、チャペルあるの知ってる?」
弥生「そうなんですか?」
宏樹「さっきスタッフさんに聞いたら、自由に出入りしていいって言われんだけど、行ってみない?」

チャペルに着いた2人。
ガラス張りのチャペル、ヴァージンロードにはキャンドルの光がゆらめく。
弥生「わぁー綺麗…」
ゆっくり祭壇に向かい歩いて行く。
祭壇の手前
宏樹「足元気をつけて」そっと手を差し出す
弥生は少し照れながら手を置き、段をあがる。

宏樹「今日は付き添いで来たの?」
弥生「はい、そうです。一緒に来た友達が元々違う子を誘ってたみたいなんですけど、その子に彼氏が出来たらしく、急遽代わりに私が…」
宏樹「そうだったんだ。ならあんまり楽しめてない感じかな?」
弥生「そうですね、合コンとかあんまり良い思い出がなくて余計身構えちゃってて」
宏樹「僕も初対面の人が多い場所は苦手だなぁ。今日は悪い思い出になってない?」
弥生「えっと…」宏樹の名札を見る
「ヒロキさんが助けてくれたおかげで、嫌な思い出にならなくて済みました。本当にありがとうございます」笑顔
宏樹「もしまた困っていたら、必ず僕が助けるよ」
優しい眼差しで弥生を見つめる。
弥生(何でだろう。会ったばかりなのに、この人なら必ず助けてくれるって思えた)
祭壇の前で向き合う2人のショット。ロマンチックな雰囲気。


約3ヶ月後、11月
○ルームシェアマンション、リビング
弥生「…え?」ポカンとしている
実紅「だからー、妊娠したの!それで、この部屋に彼と住みたいから、申し訳ないんだけど弥生には出て行ってほしいの」
弥生「…はぁー…」ため息
(昔から突拍子のないことをしてくる子だったけど、まさか3ヶ月前の仮面パーティーで即付き合った彼とこんなことになるなんて…)


次の週末
○不動産屋※羽瀬川不動産の賃貸店舗、店舗名に羽瀬川の文字は入っていない
賃貸の相談をしている弥生。店員さん首にネームホルダー。
店員「ご希望の条件ですと、なかなか難しいですね…。少々お待ちください」
席を外す店員。
弥生(そうだよね…。今のマンションの家賃と設備、立地が良すぎた。仮に実紅が結婚してマンションを出て行ったところで、1人で住むには高いし、広すぎる…。実紅の彼氏が来るまでに次の家を見つけないと)

店舗裏の事務所内
店員が他の店員と話している。
店員「いきなりルームシェア相手に追い出されて困ってるみたいだけど、この条件だとなぁ」
他の店員「まだ大学生なんだぁ。そりゃ、家賃もあんま出せないよね」
店員「うーん…」
宏樹「どうかした?」声のみ

弥生「ありがとうございました…」
不動産屋を出て歩き出す弥生。
弥生(結局大学から2時間以上、風呂無しのオンボロアパートしかなかった…)
「他の不動産屋も行ってみようかなぁ…」

宏樹「お客様っ!」後ろから声
立ち止まり、振り向く弥生。
スーツ姿の宏樹の姿。首からネームホルダーかけている。
弥生(不動産屋の店員さん…?)
宏樹「先程は良いご提案ができず申し訳ありませんでした」ぺこり
弥生「あ、いえ、私の条件がわがままだったので」
宏樹「これは僕個人からの提案なんですが…」
弥生(?)
宏樹「良かったら次の家が見つかるまで、僕の家に来ませんか?」
弥生「…え?」
(どゆこと…?)
宏樹「立地も悪くないですし、家賃も今より安く出来ますよ」
弥生「あの、言ってる意味が…」
宏樹「…また困ってたら僕が助けるって言ったでしょ?」微笑み
弥生「えっ…」
(もしかしてこの人…あの仮面のお兄さん!?)
仮面姿の宏樹と目の前の宏樹を重ねる
弥生(えええーーー!?)
驚く弥生と微笑む宏樹、それぞれアップ