ドアマンにドアを開けてもらうなんて初めての経験で、沙耶は戸惑いながらも礼を言って車を降りた。匠真は運転席から降りて、駐車係にキーを預ける。
「沙耶」
彼はエスコートするように沙耶の腰にそっと手を添えた。
「行こう」
「は、はい」
匠真との距離の近さに頬を染めつつ、ドアマンが開けてくれたドアから入る。
一歩足を踏み入れたそこは、洗練された豪華な空間だった。
大理石の床は光を反射するほどに磨き上げられていて、高級感のあるダークブラウンの調度品に、高い天井から美しいシャンデリアがきらびやかな光を投げかけている。
(すごくきれい……。でも、こんなホテルのレストランに、こんなカジュアルな格好で入ったらいけないんじゃ……)
沙耶は自分の体を見下ろした。リーズナブルなショップの白いニットにチャコールグレーのロングスカートという格好で、ベージュのショートジャケットを羽織っている。
躊躇する沙耶の腰を、匠真がそっと引き寄せた。
「沙耶、こっち」
「あ、あの、こういうところのレストランってドレスコードがありますよね?」
「ああ。一式揃えてから行こう」
匠真がニッと笑って沙耶を促した。
沙耶は彼に連れられるまま、一階から海の見えるシースルーのエレベーターに乗った。三階で降ろされ、ラグジュアリーブランドのショップが数軒目に入る。その中の一軒、フランスに本店のあるアパレルショップへと匠真が沙耶をエスコートした。
「ここで沙耶にぴったりのきれいなものを探そう」
ファッションに疎い沙耶でもよく知っている有名ブランドだ。きっと普段沙耶が買う服とは比べものにならない値段のはず。
(でも、せっかく匠真さんとステキな誕生日を過ごせるんだから)
それこそ〝清水の舞台から飛び降りる〟つもりで、思い切って買っちゃおう、と思いながら、匠真とともに店内に足を踏み入れた。
初めて入ったブティックだったが、さすがはラグジュアリーブランドである。展示されている服や小物はどれもスタイリッシュで洗練されていた。
(すごくステキ……!)
思わず感嘆の声をこぼしそうになったのを、どうにかこらえる。
そんな沙耶とは対照的に、匠真は慣れた様子で、声をかけてきた二十代後半くらいの女性スタッフに名前を名乗った。
「小早川さまですね、お待ちしておりました」
どうやら匠真は予約をしてくれていたようだ。
「沙耶」
彼はエスコートするように沙耶の腰にそっと手を添えた。
「行こう」
「は、はい」
匠真との距離の近さに頬を染めつつ、ドアマンが開けてくれたドアから入る。
一歩足を踏み入れたそこは、洗練された豪華な空間だった。
大理石の床は光を反射するほどに磨き上げられていて、高級感のあるダークブラウンの調度品に、高い天井から美しいシャンデリアがきらびやかな光を投げかけている。
(すごくきれい……。でも、こんなホテルのレストランに、こんなカジュアルな格好で入ったらいけないんじゃ……)
沙耶は自分の体を見下ろした。リーズナブルなショップの白いニットにチャコールグレーのロングスカートという格好で、ベージュのショートジャケットを羽織っている。
躊躇する沙耶の腰を、匠真がそっと引き寄せた。
「沙耶、こっち」
「あ、あの、こういうところのレストランってドレスコードがありますよね?」
「ああ。一式揃えてから行こう」
匠真がニッと笑って沙耶を促した。
沙耶は彼に連れられるまま、一階から海の見えるシースルーのエレベーターに乗った。三階で降ろされ、ラグジュアリーブランドのショップが数軒目に入る。その中の一軒、フランスに本店のあるアパレルショップへと匠真が沙耶をエスコートした。
「ここで沙耶にぴったりのきれいなものを探そう」
ファッションに疎い沙耶でもよく知っている有名ブランドだ。きっと普段沙耶が買う服とは比べものにならない値段のはず。
(でも、せっかく匠真さんとステキな誕生日を過ごせるんだから)
それこそ〝清水の舞台から飛び降りる〟つもりで、思い切って買っちゃおう、と思いながら、匠真とともに店内に足を踏み入れた。
初めて入ったブティックだったが、さすがはラグジュアリーブランドである。展示されている服や小物はどれもスタイリッシュで洗練されていた。
(すごくステキ……!)
思わず感嘆の声をこぼしそうになったのを、どうにかこらえる。
そんな沙耶とは対照的に、匠真は慣れた様子で、声をかけてきた二十代後半くらいの女性スタッフに名前を名乗った。
「小早川さまですね、お待ちしておりました」
どうやら匠真は予約をしてくれていたようだ。

