「それじゃ、失礼します。沙耶さん、また」
「はい」
匠真は沙耶に微笑みかけてから、スライドドアを開けて出ていった。ドアが閉まった後、父が大きく息を吐き出した。
「それにしても、沙耶が小早川先生と」
父に続いて母が言う。
「びっくりよね。真緒ちゃんも理緒ちゃんもイケメンドクターだって騒いでたから、沙耶ちゃんの恋人だって知ったら、驚くでしょうねぇ」
双子の名前が出て、沙耶は少しの緊張を覚えた。
「あの、今日は真緒ちゃんと理緒ちゃんは……?」
「さすがに仕事よ。でも、仕事が終わったら来るんじゃないかしら」
「そうなんだ」
「ふたりが来たら、一緒に沙耶ちゃんが働いているカフェに、晩ご飯を食べに行こうかな。なにがお薦め?」
「えっと、カフェの営業時間は午後六時までなの」
沙耶の返事を聞いて、美咲が残念そうな表情になった。
「あら、そうなの? 閉店時間が早いのね」
「うん。オーナーの方針で、高齢者の生きがいづくりと、地域の人への憩いの場の提供をコンセプトにしてるんだ。だから、いつものんびりしてて、閉店時間も早いの」
「そうなの。オーナーはどんな方?」
「神谷涼花さんっていうすごくきれいで優しい人だよ。ほかのスタッフもみんな親切だし」
美咲は安心したように微笑む。
「とてもいい職場みたいね」
「うん」
答えてから沙耶は腕時計を見た。あと十分で休憩時間が終わる。
「私、そろそろ仕事に戻るね」
「来てくれてありがとう。ゼリーもみんなでいただくわね」
「うん」
沙耶は父に「また来るね」と声をかけて病室を出た。大きな心配事が片づいて、足取りも軽くなっていた。
「はい」
匠真は沙耶に微笑みかけてから、スライドドアを開けて出ていった。ドアが閉まった後、父が大きく息を吐き出した。
「それにしても、沙耶が小早川先生と」
父に続いて母が言う。
「びっくりよね。真緒ちゃんも理緒ちゃんもイケメンドクターだって騒いでたから、沙耶ちゃんの恋人だって知ったら、驚くでしょうねぇ」
双子の名前が出て、沙耶は少しの緊張を覚えた。
「あの、今日は真緒ちゃんと理緒ちゃんは……?」
「さすがに仕事よ。でも、仕事が終わったら来るんじゃないかしら」
「そうなんだ」
「ふたりが来たら、一緒に沙耶ちゃんが働いているカフェに、晩ご飯を食べに行こうかな。なにがお薦め?」
「えっと、カフェの営業時間は午後六時までなの」
沙耶の返事を聞いて、美咲が残念そうな表情になった。
「あら、そうなの? 閉店時間が早いのね」
「うん。オーナーの方針で、高齢者の生きがいづくりと、地域の人への憩いの場の提供をコンセプトにしてるんだ。だから、いつものんびりしてて、閉店時間も早いの」
「そうなの。オーナーはどんな方?」
「神谷涼花さんっていうすごくきれいで優しい人だよ。ほかのスタッフもみんな親切だし」
美咲は安心したように微笑む。
「とてもいい職場みたいね」
「うん」
答えてから沙耶は腕時計を見た。あと十分で休憩時間が終わる。
「私、そろそろ仕事に戻るね」
「来てくれてありがとう。ゼリーもみんなでいただくわね」
「うん」
沙耶は父に「また来るね」と声をかけて病室を出た。大きな心配事が片づいて、足取りも軽くなっていた。

